ガニュメデスの誘拐 の商品レビュー
ヨーロッパにおける同性愛についての言説と表象を古代から現代まで総ざらいする途方もないエッセーで、特にフランスの戦前戦後から八十年代にかけての「同性愛文化」を論じるところは同時代の当事者としての貴重な証言になっている。同性愛を悲惨なイメージと結びつけるイデオローグたちへの著者の批判...
ヨーロッパにおける同性愛についての言説と表象を古代から現代まで総ざらいする途方もないエッセーで、特にフランスの戦前戦後から八十年代にかけての「同性愛文化」を論じるところは同時代の当事者としての貴重な証言になっている。同性愛を悲惨なイメージと結びつけるイデオローグたちへの著者の批判は厳しく執念深いもので、そこには「ミリタン」(戦闘的同性愛者)としての主観が行き過ぎている感も否めないが、それでも歴史に埋もれた「同性愛文化のヒーローたち」にスポットを当てる作業の緻密さとパッションには圧倒される。著者の言う宿命的なパラドックス、つまり同性愛文化は禁忌的・抑圧的風土(「パーリアの栄光」)抜きに成立しえないというパラドックスは今でもなお有効であり、これからのゲイ文学の(不)可能性を考えるうえで無視できないテーマだと思う。
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同性愛が過去から現在(といっても1980年代ぐらいまで)において、どういう扱いを受けてきたか。どのようなイメージだったのか、の解説。 膨大すぎて主題がぼやけ気味。ふーん、程度に。
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