「新都」建設 の商品レビュー
■過去認識に正しく、未来認識に甘い作品 ・見せかけ上の数値の豊かさの上で、実質的豊かさが実現されていない生活後進国日本の実体と、過去を正しく認識している点が評価できる作品。 ・東京一極集中による東京と地方双方の問題、日本全体の低い生産性の問題を言及。官僚業界政界による誤った官僚主...
■過去認識に正しく、未来認識に甘い作品 ・見せかけ上の数値の豊かさの上で、実質的豊かさが実現されていない生活後進国日本の実体と、過去を正しく認識している点が評価できる作品。 ・東京一極集中による東京と地方双方の問題、日本全体の低い生産性の問題を言及。官僚業界政界による誤った官僚主導の政策が現状を招いた点を指摘する。 そこまでは正しい作品ですが、その改善の手段として9兆円を利用した新都建設しかないと主張する点に、論拠がほぼなく希望的観測にすぎる点が残念。 ・主張する新都建設は、首都機能のうち一部の官僚機構のみを移動させるという限定的なもの。 過去の公家武家社会ころの全面的遷都と規模や影響効果が異なり、かつ今日の状況において一部の移動によって国全体の仕組み国民全体の思考構造まで変えられるとした推定に無理が あると思われます。 ・他の作品でもふれていたことの繰り返しが多く、改めて新しいことの少ない作品。 ・そもそも豊かさを感じられない社会といいながら、他国より豊かさに劣ることすら認識するほど目が外に向けられていないことが問題。 そんな状況でいまさら政治や官僚主導で新都を作ることで、全てがリセットされるという感覚自体が時代遅れな気さえします。
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