住まいの十二か月 の商品レビュー
建築家である著者65才のころの住まい考。 住まいでの年間行事や家事・洗濯といった仕事やそれに伴う収納など柔らかタッチで書き綴り、それぞれの家庭でこれをまとめておくことが、住宅をつくる際の勘所だという。 最近ゼロ・エネルギー・ハウスなどといって、高気密高断熱、全館冷暖房、太陽光パ...
建築家である著者65才のころの住まい考。 住まいでの年間行事や家事・洗濯といった仕事やそれに伴う収納など柔らかタッチで書き綴り、それぞれの家庭でこれをまとめておくことが、住宅をつくる際の勘所だという。 最近ゼロ・エネルギー・ハウスなどといって、高気密高断熱、全館冷暖房、太陽光パネル、蓄電池を設置するような家が宣伝され、補助金も出ることになっている。 しかしその仕様は、建材メーカーや家電メーカーにとってお得で、政府が喜ぶGDPが上昇しそうな家。一体どのくらいの人が欲しいと思っているのだろう。 また、今では奥様も現金稼ぎに家を離れなければならない人も多く、子供も塾や稽古事で家にいる時間が少ないというふうに随分家庭のあり方も変わってきた。 ようは、住む人が家や暮らしを手入れすることに時間をかけられなくなってしまったということだが、それは必然的に家庭内でのいろんな年間行事も省力化されていく。住宅も規格品がおおはやりだ。まるで人や暮らしがなくても成立する無人化住宅。 この本では、ゼロ・エネルギー・ハウスや無人化住宅の話は出ていないので、安心してよき時代のすまいのつくり方を知ることができる。
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