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組織とグループウェア の商品レビュー

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2020/03/15

情報学と経営学の双方の観点から、グループウェアの可能性について考察している論文などを収録しています。 巻頭に置かれている西垣通と石井裕の対談では、主として西垣のほうがインタヴュアーとなって、グループウェアについての研究を手掛けている石井から議論を引き出しつつ、組織とグループウェ...

情報学と経営学の双方の観点から、グループウェアの可能性について考察している論文などを収録しています。 巻頭に置かれている西垣通と石井裕の対談では、主として西垣のほうがインタヴュアーとなって、グループウェアについての研究を手掛けている石井から議論を引き出しつつ、組織とグループウェアの将来像についての展望を示そうとしています。 西垣の考えは、巻末の論文「コレクティヴ・ブレイン」に示されています。ここで西垣は、組織活動をサポートするための新しいシステムが次々に提案されているにもかかわらず、現在までのところなお「明快な自己主張をもった〈個人〉どうしが〈効率〉的に協調活動をするためのシステム」にとどまっているという批判をおこないます。そのうえで、西洋思想史を参照しながら「個人」の概念を問いなおし、独立した個人に依拠するのではなく、むしろそれぞれの個人が参与する「場」のクリエイティヴィティを高めることをサポートするようなシステムの構想を語っています。 西垣の他の多くの著作とおなじく、発想そのものはたいへん刺激的であるものの、具体的な人間活動のかたちが見えてこないという印象を受けました。

Posted byブクログ