嵐が丘の恋 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ブロンテの『嵐が丘』は全然関係ねぇでやんの! 教師のヒロインが民間への出向で鉄工所で働き始めた。たぶん恋人になるニックの母親は昨年死んだらしいので、嫁姑争いは無さそう。 ニック・ブラッドリーについての「髭が濃い」とか「男っぽい体臭」といった描写にお国柄の違いを感じたり。 「開いた胸もとから黒い胸毛がのぞき、一見ジプシーを思わせる。キャリーはなぜかどきりとした。」36頁より。なんか外国の恋愛小説って感じがする。 39頁下段「ブロンテ姉妹の本の隣に産業革命の本と洞穴探検の本が並んでいた。本もまた、持ち主の性格を物語っているのだろうか?」とさりげなく『嵐が丘』要素が配されていたり。まぁ、ブロンテ姉妹=エミリー・ブロンテとは限らんけど。 今さら気付いたんだけど、この本の原題“The Iron Master”らしいよ! 嵐が丘はどこから湧いてきたんやwww 恋人役のニックは、わりと俺様系っていうか、スーパー攻め様で、「あっ、今この人無理やりキスしましたよ! 教育委員会から出向中に女教師に!! セクハラ相談窓口行かなきゃ! しかし、同族企業社内のセクハラ相談窓口なんて社長の敵ではないよな…。」って感じです。 しかし、立て続けに読んだハーレクインのマザコン男にうんざりしすぎて、マザコンよりはスーパー攻め様の方がマシかもな…、と思いつつある。金払いもいいしな…。 ヒロインがスーパー攻め様のことを嵐が丘のヒースクリフと重ね合わせてきゅんとしてる場面キター(゚∀゚)!!! タイトルは嘘じゃなかった! クライマックス前に唐突に挟まれる嵐が丘オマージュ(窓を叩くキャサリン一世の亡霊)がウケる。ヒロインの出向先の鋳物工場描写は充実してたけど、本業の教員の描写はほとんど無し。 先日から「ハーレクイン=上方婚なのか?」問題は、ヒロイン:教員で鋳物工場に週2回出向、恋人:鋳物工場社長なのでこれも典型的な上方婚かと思いきや、ヒロインの実家の方が由緒正しい金持ちでお母さまが鋳物工場を軽く蔑んでたり、恋人は早くに学業を止めて家業を継いだりしてるので微妙。 ニックの謎の趣味「洞穴探検」がまさかこういう伏線だったとは…!って感じです。
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