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肉体の学校 の商品レビュー

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54件のお客様レビュー

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あまり三島の魅力が出…

あまり三島の魅力が出ているとは思えない恋愛モノ。代表作読み尽くしてからもよいでしょう。

文庫OFF

タイトルは田村泰次郎…

タイトルは田村泰次郎の『肉体の門』を意識しているのでしょうか。主人公の女性と彼女を取り巻く男性たちを描いた恋愛小説です。

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女が主人公の恋愛物。…

女が主人公の恋愛物。 男役がうすっぺらに思えて萎える。

文庫OFF

2024/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初三島。文豪ってすげ〜〜文章が読みやすい!人間に対する洞察力と表現力がエグい!!なのに構成もエグくて伏線回収が気持ち良すぎ! 何度あるある!と思ったことか! ラストが良かったな。全編を通して妙子が恋と自意識の狭間で悶えてるのが少々退屈だけれども、そこまでして恋した相手は容姿は素晴らしくとも薄っぺらい功利主義者でしかなくて、そのぼろが全て剥がれてしまって妙子の恋が醒める描写が非常に的確だった。恋は所詮幻想の上に成り立つ脆い錯覚であったのだと。面白い。 にしても報われない話ばっか最近読んでて(ノルウェイの森、痴人の愛、春琴抄、布団)報われる話が読みたい。沙耶の唄はあんま好きじゃなかった。じゃあどれ読んでもダメかも!笑 恋(認知の異常状態)によって自意識に振り回される妙子。傲岸不遜で男らしく魅力的なようでいて薄っぺらい利己主義のもとで動いている千吉。いや、前半は後半の裏返しで、妙子が努めて見ないようにしていた点だけど。人間として未成熟なカスでも容姿が良いと何もかも魅力的に見えてしまうから羨ましいね。いくら外見が良くても内面もそうとは限らない(一方的に受け取り手が相手の内面まで美化して考えがち)というのがラストで妙子の言う「(肉体の)学校」で学んだこと? 最近読んだ「痴人の愛」の男女逆転版のようでもあった。男と女のキモいところが違い違い書かれてておもろいっす。譲治はナオミの肉体美から未だ離れられないけど妙子は見切りをつけ次の恋へ。恋に相手の精神性をどれだけ求めるかの性差かな(性差で全てを包含してしまっていいか不安だけど) 群ようこの解説を読んで、確かに妙子は仕事に友情に恋愛に、全てを手にした女だなと思い出した。この本では妙子の生活の努力がほとんど描写されず、安定した生活基盤の上に成り立つ華やかな活動にばかり焦点が当たっているから妙子の努力を忘れがちだけど。恋愛にばかりうつつを抜かしているけしからん女(私からしたら)と思えたけど、ちゃんと自分の身を自分で立てているし、自分の人生や生活に関して男を頼ることもない。自分の生活に責任と主体性を持ちながら、自らの心と向き合った結果、友達と騒いだり美容体操したり流行りの本読んだり男に甘えたり恋をしたり愛したりしているんだ。バイタリティ見習いテェ。 てかわりと40で男遊びって需要あるの…笑とか思ってしまった、ごめん。まあいうて若く見える人いるわ。無意識に老いを見下してる、自分の嫌なとこだわ。 「洗練」ということを生き甲斐にしている男たちで…誘惑術の機械をいつも磨きたて、いつも調整を怠らない、いわば技師のような連中だった。 ↑これはなんだか好きなフレーズ。私も仕事のスキルは技師のように磨き続けてプライド高くいたいけど、なんだかこう言われるとそれは生に足がついてない空虚な行為のように思われるな。現に、この描写をされた男は妙子と同じ砂漠を持っていた。

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2023/08/28

「命売ります」に続いて三島由紀夫2冊目。「年増園」と名付ける作者の言葉選びの感覚に好感度。華族出身の裕福な中年女性と社会的な地位と安定した生活を手に入れようとする年下の男性の洒落た恋愛は今読んでも色褪せていなくて面白い。大人の余裕をみせる妙子がかっこよくて爽やかだった!!!名作に...

「命売ります」に続いて三島由紀夫2冊目。「年増園」と名付ける作者の言葉選びの感覚に好感度。華族出身の裕福な中年女性と社会的な地位と安定した生活を手に入れようとする年下の男性の洒落た恋愛は今読んでも色褪せていなくて面白い。大人の余裕をみせる妙子がかっこよくて爽やかだった!!!名作にも挑戦したい。

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2023/07/22

そういう「オトナの女性」に憧れてんだねぇ。 それだけ頭が良くてセンスも経験も金も名声も恵まれていれば、自身の恋愛に対する幼稚さが目について仕方ないか。でもあなたが不幸なおかげで沢山の価値高い小説やエッセイが生まれたよ。 と三島由紀夫の不幸を感じながら読む小説。

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2023/04/30

60年前に描かれたこの作品。 現代でも色褪せていないことがすごいし何より世界観がお洒落すぎてどストライク。さすが三島由紀夫の娯楽小説。 主人公の女性、妙子がいい女すぎて私もこんな女性になりたいと思える程素敵すぎる女性だった。ラストが特に本当に面白くて最高。男性である三島が女性であ...

60年前に描かれたこの作品。 現代でも色褪せていないことがすごいし何より世界観がお洒落すぎてどストライク。さすが三島由紀夫の娯楽小説。 主人公の女性、妙子がいい女すぎて私もこんな女性になりたいと思える程素敵すぎる女性だった。ラストが特に本当に面白くて最高。男性である三島が女性である妙子の心理描写をこんなに繊細に描けることに驚きと尊敬。とにかく夢のある小説だった。また時間が経ったら絶対読みたい。 そして三島由紀夫の作品が大好きであることを再確認させられる作品だった。

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2023/02/04

三島由紀夫の肉体の学校に出会いたくて、古本屋に足繁く通っていたけれど、6年探してもなかなか出会えなかった。 私のルールから外れて、ネットで購入。 いいんだよ、読みたかったんだから。 三島の人間描写が好きだ。生々しい赤裸々な感情が好きだ。なんの本を読んで好きになったかは覚えていな...

三島由紀夫の肉体の学校に出会いたくて、古本屋に足繁く通っていたけれど、6年探してもなかなか出会えなかった。 私のルールから外れて、ネットで購入。 いいんだよ、読みたかったんだから。 三島の人間描写が好きだ。生々しい赤裸々な感情が好きだ。なんの本を読んで好きになったかは覚えていないけど、肉体の学校を追い求めて読み続けた。 人間のドロドロした感情を、全部欲しいと思う感情を、そのまま書いてくれるから私は共感する。 でも私はやられたらやりかえしてしまうので、あんないいオンナにはなれないんだろうなあ。 大学の時からずっと読みたかった三島由紀夫の肉体の学校。愛知県美術館で出会ってから、次出会えた時が運命と思って探し続けたけど結局いつまで経っても出会えず6年。やっと読めた。 少し前の自分と重なる物語だった。ダメ男と気高くいたい自分の関係。素直になれない自分。葛藤。一緒にいてはいけないけど好きで仕方ない。 妙子はかっこよく離別できた。私もかっこいい大人の女性になりたい。

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2022/12/24

ああ〜もう〜 やっぱり三島由紀夫は娯楽小説がピカイチだと思うの。 豊饒の海も金閣寺も好きだけど、やっぱり純白の夜なの夏子の冒険なの、不道徳教育講座なの、三島由紀夫レター教室なの!!!! * ということで。 敗戦を機に夫と離婚し、“離婚成金”となった妙子、39歳。元華族で、...

ああ〜もう〜 やっぱり三島由紀夫は娯楽小説がピカイチだと思うの。 豊饒の海も金閣寺も好きだけど、やっぱり純白の夜なの夏子の冒険なの、不道徳教育講座なの、三島由紀夫レター教室なの!!!! * ということで。 敗戦を機に夫と離婚し、“離婚成金”となった妙子、39歳。元華族で、今はブティック経営者。 同じ境遇の友人3人と集う「豊島会」で、ゴージャスに着飾った彼女らが語るのは、専ら色恋の話と、男性の品定め。 ある日訪れたゲイ・バアの若いバーテンダー、千吉に妙子は惹かれてしまう。 二人がくっつくまでの駆け引きもまあまあ長くてかわいいのだけど、くっついてからのやきもち加減が可愛すぎて。そしてわかりすぎてつらい。 独占したいけど、束縛していると思われたくない。嫉妬と羞恥心。 「どこへ行っていたの?」 不安で不安でたまらなくて、でも素直に聞けなくて。自分から言ってくれればいいのに、と思う反面、言われたら言われたでまたそれを弁解と捉えてしまうのだろう。と。 ぐるぐるぐるぐる。 三島由紀夫はどうしてこういう繊細で醜悪な心の動きを描けるんだろう。もうそれ以上さらけ出さないで、自分の中をえぐり出されているようでつらいから。 でも妙子はこんなにやきもち妬きで寂しがり屋なのに、芯がしっかりしていてブレなくて、素敵。 何事も他責にしない、というか。自分の行動の責任は自分でとる。 自分の両足でしっかり立ったうえでやきもちを妬いて、しっかり浮気もして。素敵だ。 ラストのあっさり感までもうほんと貫いてて素敵。あれだけやきもち妬いて、駆け引きして、恋して恋して恋したのに。 夢からさめてすっぱり切り替えられるのは、やっぱり自分があるからだよなあと思う。 あと経験からくる自信と、プライド。歳を重ねるって強い。

Posted byブクログ

2022/12/18

初の三島作品でしたが、情景の表現が素晴らしいですね。登場人物の心理描写とそこから感じる今がリアルに描かれていました。 内容も中年女性の心の変遷を表現豊かに表していました。

Posted byブクログ