グッド・タイムズ の商品レビュー

ラッセルベイカー【著】,土屋政雄【訳】

2020/09/02

　新聞人―　巧みな文章を書き公的意味合いの強い知的なイメージのある仕事。
　だがこの本では、薄給でカツカツの生活を強いられている様子が描かれる。それは私たちがイメージする新聞人の姿ではない。ごく普通の生活水準を満たす仕事を別に見つけ、続々と人が去っていく。
　デスクは与えられない。警察回りをしてその日起こる出来事を走り書きの書類の中から見つけ、それを拾い会社に伝えるだけの毎日。
　そんな毎日を何年も耐えた甲斐があり、主人公にもようやく鶴の一声がかかる―