森へ行く日 の商品レビュー
舟越桂氏の作品は見る度に、新しい発見がある。また、発見が無くとも、そこに自分を見出し、存在への確かな手応えを感じる。そして、なぜかやすらぎを見出す。 それは、見る側の精神状態や人間的成熟が反映される要素をもっているからだろう。それはまるで言葉を超えた「心の鏡」のようだ。 ...
舟越桂氏の作品は見る度に、新しい発見がある。また、発見が無くとも、そこに自分を見出し、存在への確かな手応えを感じる。そして、なぜかやすらぎを見出す。 それは、見る側の精神状態や人間的成熟が反映される要素をもっているからだろう。それはまるで言葉を超えた「心の鏡」のようだ。 作家の大岡令氏も同じような文を冒頭に寄せていた。この文自体も言葉の限界を知る、それでいて的確な名文だと思う。 美術評論家の酒井忠康氏の批評は、少し鼻につくし、小難しいし、的確とは言い難いが、これはこれで舟越氏を理解する貴重な資料と言える。 今回、作品の中では、86-87の「届いた言葉の数」、88-89の「届かなかった言葉の数」が新しかった。Plates2に宗教的な作品も載せられているが、彼の作品は精神性、人格性に満ちており、設置される場所を選ぶと思う。それだけ大切に扱いたくなる作品たちだ。
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