さまよえる都市人類 の商品レビュー
まずは、本の内容ですが、 はじめに――勤勉のエクスタシー Ⅰ爛熟する風景 Ⅱ世紀末の社会心理 Ⅲ医療と死別 Ⅳ文化としての経済活動 Ⅴ気がつけば三流政治 Ⅳ都鄙往還 Ⅶ情報社会を浮遊する おわりに となっている。 本書は、1980年代の後半の社会状況を視野に入れ、各種雑誌に小論文...
まずは、本の内容ですが、 はじめに――勤勉のエクスタシー Ⅰ爛熟する風景 Ⅱ世紀末の社会心理 Ⅲ医療と死別 Ⅳ文化としての経済活動 Ⅴ気がつけば三流政治 Ⅳ都鄙往還 Ⅶ情報社会を浮遊する おわりに となっている。 本書は、1980年代の後半の社会状況を視野に入れ、各種雑誌に小論文として集めた評論集となっている。 精神科医として蓄積した知見でもって、日本社会、日本人の行動パターンを分析し、予想されるリスクに対応すべく社会問題の解決の糸口としての意見を述べている。 社会文化学、経済学的見地ではなく、精神分析専門家の独特の課題解決に向けた処方箋が興味深かった。
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98017 80年代後半の論評60本。 ★再読―――――――――――――――――――――――――――― グローリー・デイズ/デイヴ・マーシュ 98018
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(2009.02.19読了)(1999.10.16購入) 1989年〜1992年夏までに書いた小論文60を収めた、評論集です。 掲載誌の主なものは、「Voice」「実業の日本」「共同通信」「熊本日日新聞」です。 著者は、精神科医と思っていたのですが、評論の範囲が広範囲です。 章立...
(2009.02.19読了)(1999.10.16購入) 1989年〜1992年夏までに書いた小論文60を収めた、評論集です。 掲載誌の主なものは、「Voice」「実業の日本」「共同通信」「熊本日日新聞」です。 著者は、精神科医と思っていたのですが、評論の範囲が広範囲です。 章立ては、以下の通りです。 Ⅰ爛熟する風景 Ⅱ世紀末の社会心理 Ⅲ医療と死別 Ⅳ文化としての経済活動 Ⅴ気がつけば三流政治 Ⅵ都鄙往還 Ⅶ情報社会を浮遊する 社会心理や医療については、専門分野といえるので、論に深みがあるように思えますが、政治・経済になると当を得ているようには思えません。近所のオジサンと世間話をしているつもりで、気軽に読めばいいと思います。 1990年ごろの事件、神戸高塚高校での校門圧死事件が取り上げられています。8時半きっかりになると、校門の扉を閉めるのですが、扉が200キロを超える鉄の扉で、勢いよく閉めた扉に一人の少女が圧殺された事件です。エンデの「モモ」の時間泥棒との対比で述べられています。(79頁) 湾岸戦争と若者についても述べられています。 若者については、大平健氏の「豊かさの精神病理」(岩波新書)で紹介されている「もの」語りする青年に触れています。小説では、田中康夫氏の「なんとなく、クリスタル」(新潮文庫)の世界、ということです。(85頁) 1989年の「朝日新聞」のサンゴ損傷捏造事件も取り上げられています。 サンゴ礁のサンゴが傷つけられているという写真入りでの報道が実は、カメラマンの自作自演だったという事件です。 朝日新聞の調査報告書を取り上げて、朝日新聞が問題点としていることに関して見当違いであるとしています。その後も繰り返される朝日新聞の不祥事からすると、野田さんの論が当たっているのかもしれません。(88頁) 「嫁菜の花美術館」での「色えんぴつの虹―堀明子詩画展」が取り上げられています。堀明子さんは、家族でカヌーによる川下りをしていた時にカヌーが転覆し、溺死してしまったのだそうです。高校一年生でした。小学校三年、四年の時にノートに綴った詩を「四季の色・堀明子詩集」として出版したのだそうです。 詩集を読んだ人たちが詩に絵を添えて、詩画展が実現したということです。(118頁) (2009年2月20日・記)
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