1,800円以上の注文で送料無料

ケストナーの生涯 の商品レビュー

4.7

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

エーリヒ・ケストナー…

エーリヒ・ケストナーの伝記。 生まれたころからお亡くなりになるまで、交友関係や住んでいた土地柄なども踏まえて書かれています。 高橋さんはケストナーとは交友関係にあったため、ケストナー自身の手記に加えて彼の周りの人から実際に見聞きしたこと、彼自身と付き合って得たものなどがふんだんに...

エーリヒ・ケストナーの伝記。 生まれたころからお亡くなりになるまで、交友関係や住んでいた土地柄なども踏まえて書かれています。 高橋さんはケストナーとは交友関係にあったため、ケストナー自身の手記に加えて彼の周りの人から実際に見聞きしたこと、彼自身と付き合って得たものなどがふんだんに盛り込まれていました。 この一次史料の多さが美味しかったです。 高橋さんのケストナーに対する目線は優しく暖かく公平で、嬉しかったです。

文庫OFF

2021/08/06

ケストナーの生まれから晩年までを、日本のドイツ文学者が綴っている本。 ケストナーは生まれの家庭が複雑で、父と母の関係が悪かったり、母親がケストナーを独り占めしていたりしていて、決して良好な家庭環境で育ったとは言えないと思う。 ただ、両親への愛はものすごく、自分の書いた児童文学に両...

ケストナーの生まれから晩年までを、日本のドイツ文学者が綴っている本。 ケストナーは生まれの家庭が複雑で、父と母の関係が悪かったり、母親がケストナーを独り占めしていたりしていて、決して良好な家庭環境で育ったとは言えないと思う。 ただ、両親への愛はものすごく、自分の書いた児童文学に両親の名前を登場させるなどしている。 ナチス政権が勢いを増していく中で、発禁本に指定されたり、本を焼かれたりしながらも国外に行かず、自分の目でドイツ国内の現状を見定めようとした姿がカッコいい。 愛人と妻との関係については色んな意見があるんだろうと思うが、一概に外野が判断すべきことではないなと感じた。

Posted byブクログ

2011/01/20

ケストナーのわたしが子どもだったころと並行して読んでいたのですが両方同じくらいに読み終わりました。それにしても凄い人だったんだなあ、と思いました。 世間や自分の周囲が一つの大きな方向に流れていく時、その場に踏みとどまって自分の考えを貫くと言うことがどんなに大変なことか。まして...

ケストナーのわたしが子どもだったころと並行して読んでいたのですが両方同じくらいに読み終わりました。それにしても凄い人だったんだなあ、と思いました。 世間や自分の周囲が一つの大きな方向に流れていく時、その場に踏みとどまって自分の考えを貫くと言うことがどんなに大変なことか。ましてやナチス支配下に置けるドイツで殺されず、自分の意思を曲げずに生きることがどれほど大変だったことか。想像に絶する苦労があったことと思います。 そして戦後、ようやく戦争が終わった後ドイツ国民はナチスドイツの負債を支払わなくてはならなかったのだけれども、でもそれは自分の責任だ、と認めていたんだな、とケストナーの詩を読んで思いました。 何だかこの頃の日本は戦争のことは一部の軍部が勝手に行ったこと、一般民衆は全て被害者だ、と言うような意識を持つ人が増えている気がしてなりません。戦争を二度とおこさないことその為にはやはり自国が加害者だった事実もきちんと認め、その上で戦争の悲惨さを説かなくては片手落ちになってしまうよなあと改めて思いました。 重たい歴史でしたがこんな素晴らしい作家が居たんだ、と遅まきながら知ることが出来て本当にうれしいです。

Posted byブクログ