政治はどこへ向かうのか の商品レビュー
『いま政治になにが可能か』(中公新書)の続編で、1992年に刊行された本です。前著よりも、当時のアクチュアルな問題に重点が置かれています。 日米間の構造協議や、湾岸戦争における多国籍軍への日本の貢献をめぐって、日米間ですれ違いがあったということは知識としては持っていましたが、こ...
『いま政治になにが可能か』(中公新書)の続編で、1992年に刊行された本です。前著よりも、当時のアクチュアルな問題に重点が置かれています。 日米間の構造協議や、湾岸戦争における多国籍軍への日本の貢献をめぐって、日米間ですれ違いがあったということは知識としては持っていましたが、これほど深刻なものだったとは知りませんでした。日本の政治が国内の個別的利益の調整に明け暮れており、国家間の交渉においてほとんど政治が機能していなかったことが、分かりやすく説明されています。 本書の議論は、日本の政治に公共性を根づかせるための制度的条件を探ることに向けて収斂していくような印象があり、その課題の重要性については十分に理解できるものの、いまだ有効な処方箋を提示するには至っていません。ただ、この問題がどれほど困難なものかということを、当時のアクチュアルな政治状況を参照しながら明らかにされており、その点に関しては興味深く読むことができました。
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湾岸戦争後、日本の危機管理能力の甘さが露呈。さて、どうするか。 52頁、「政党政治は「外なる」脅威に依存することによってのみ、突破口を発見しようとした点で共通性が見られる」。じゃあ気づくまでやらないんじゃない。宿題を片づけられない小学生みたいだ。
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