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世紀末鯨鯢記 の商品レビュー

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2016/03/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

フィリピン出張に持って行った数冊のうちの行きの飛行機で読み終わったのが久間十義さんの『世紀末鯨鯢記』。三島由起夫賞受賞作品という事で昔買ったと思うのだがこれまた何年も積読状態にあったのを今回救出。1990年の作品で調査捕鯨とそれに反対する過激な活動をする団体を取り上げた作品。捕鯨船の様子などよく取材されて入るのだが、書かれているテーマは捕鯨の是非などという物ではなく、大きなストレスのもとで正気を失って行く人間が、よりストレスが大きな状況に追い込まれた中でどのようになって行くのかということなのではと思ったのだがどうなのだろう。人はストレスだけではなく、恋愛だったり、金が絡んだ相続だったりまま正気を失う生き物のようだが、正気の状態というものが絶対な物ではないのでどの状態になったら正気に戻ったというのかも実は定かではないので気がつかないうちに真の自分探しのカオスに陥ってしまう普通の人間を描きたかったのでは。そんな不思議な人間の混沌を描いた小説は気持ちが元気なときにしかお勧めできません。

Posted byブクログ