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「私」探しゲーム の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2023/04/10

とある本で紹介されていたこともあり、読んでみました。 社会学や社会学者については、よくわからないんですけど、何だか「自分のことは棚に上げて」「行き当たりばったり」で「思いついたもの勝ち」な世界や人々、という印象を受けました。 この本については、「なるほど」と思う箇所もありますし...

とある本で紹介されていたこともあり、読んでみました。 社会学や社会学者については、よくわからないんですけど、何だか「自分のことは棚に上げて」「行き当たりばったり」で「思いついたもの勝ち」な世界や人々、という印象を受けました。 この本については、「なるほど」と思う箇所もありますし、30年前の本とは思えないほど、現在(当時からすると30年ほど未来)をうまく見通しているように見える箇所もありますし、著者の知識が豊富であることはわかるのですが、「社会をこうしたい」や「社会はこうあるべきではないか」というビジョンや「ビジョンに向かうため、私はこうする」といった主体的な姿勢は感じられず、「なまじっか知識のある外野(野次馬)がワイワイ騒いでいる」感はぬぐえませんでした。 社会の見方には、いろんな視点や変遷があるのがわかりますし、単に読むだけならば面白いといえば面白いのですが、その先の行動にはつながる気がせず。 その結果として、冒頭で述べた「自分のことは棚に上げて」「行き当たりばったり」で「思いついたもの勝ち」な印象だけが残った感じです。

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2017/01/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

1992年刊(初出1980~88年)。著者は東京大学文学部教授。◆①単純な男女二項対立が如何に議論を粗雑にするか。男・女とも収入・教育・仕事・経験・容姿体格体力等、様々な属性において様々な特質を有している。いうなれば、男女だけの二項対立では変な結論、ないし著者の決め付けを不可避にする。この判り易い悪例。②西欧近代と日本近代とはその内実に多大な異質面があるのに、恰も全く同じであるかの如き分析視座の粗雑さ。性・愛・結婚の三位一体というなら中世の状況やC教等宗教の議論に入らざるを得ないが、全く皆無。 ③悪い意味で、エビデンス軽視の社会学の例。教育社会学につき統計的手法、特に相関関係に関し、要素の重要度の重みづけを検討する重回帰分析等の方法論・説明(苅谷剛彦や志水宏吉らのチーム)を知ると、説明がこんなんで良いのかと言いたくなる程。殊に米国固有事情が措定される「アメリカン・カップルズ」の分析を、何の躊躇も、何の理由付けもなく自分の説明の為に引用する等理解に苦しむ。◆著者ならイスラム文化をどうこき下ろすのか。見てみたい。日本以上に苦しんでいる人々が世界に何億人もの規模で存在していそうですからね。 ◆加谷珪一著書での「タレント学者」の最たるものか、◆どうでもいいが「ハウスマヌカン」「ナウい」といった、時代を感じさせる用語がちらほら。また「小泉今日子より菊池桃子の方が人気がある」と小泉ファンが聞くと怒髪天になりそうな箇所など、危うい発言も散見。◆逆に「商品論」「百貨店論」等は読める。というより余計な主張をさせず、分析に特化すればまともなものが書けるんだなと。

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2016/01/17

固有名が多い。 時流そのものについてや、当時あった出来事について筆者が分析する手法をとっている。 特に過去の話題ばかりで興味もないことが多く、流し読み。 そういえば、「個性神話のパラドックス」は高校の教科書に載っていた。これが一番面白かったように思う。 スピード感がある文体だが、...

固有名が多い。 時流そのものについてや、当時あった出来事について筆者が分析する手法をとっている。 特に過去の話題ばかりで興味もないことが多く、流し読み。 そういえば、「個性神話のパラドックス」は高校の教科書に載っていた。これが一番面白かったように思う。 スピード感がある文体だが、いかんせん、時代を感じてしまうような古臭さがあるのが残念である。

Posted byブクログ

2014/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] CM、ファッション、不倫、目立ちたがり症候群etc.―同時代のシャーマンたらんとする著者が、いわば「脱近代の波頭」をとらえて、差異化する商品の意味、アイデンティティの変質など、その根底にある時代の変動を浮かびあがらせる。 卓抜な世紀末ウォッチング。 その後のトレンドに潜む、新しい時代のうねりを分析した「トレンドごっこ」の章を新たに増補。 [ 目次 ] 序 「近代」の野辺送り 1 ポストモダンの波頭 2 差別化の商品学 3 〈私〉探しゲーム 4 消費社会前史 5 女たちの欲望 6 百貨店―都市空間の記号学 7 大衆社会の変貌 8 トレンドごっこ [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2012/09/25

上野千鶴子のコラム集。 今の視点から読むと、なんだか当時流行りの概念を振り回してつまらないことを言っているな、と思ってしまうが、それは上野が当時、皆に先んじて真っ先に我々が迎える時代の特徴を言い当てたためである。 見せる私から見られる私へ、とか、「わたし」の同一性の崩壊とか、今...

上野千鶴子のコラム集。 今の視点から読むと、なんだか当時流行りの概念を振り回してつまらないことを言っているな、と思ってしまうが、それは上野が当時、皆に先んじて真っ先に我々が迎える時代の特徴を言い当てたためである。 見せる私から見られる私へ、とか、「わたし」の同一性の崩壊とか、今ではなんだか当たり前に聞こえるが、当時はそれは当たり前ではなかった。60年代の若者の強烈だが画一的な自己主張、70年代の個人化と軽薄短小への傾向を踏まえて、80年代の「自分らしさ」への探索へと――もちろんそれは社会によって規定される「自分らしさ」がなくなったから――向かうのである。それをいち早く見出したという点に、つまり同時代的な意味に、この本の価値は見出されるだろう。

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2012/02/22

98 消費社会とそれに翻弄される大衆をクールな視点で見つめた80年代の評論集。「日経トレンディ」連載のエッセイを増補。

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2009/10/04

今さらそんなの読んでるのか、と言われそうですが……(苦笑)。でも、「1980年代とはどういう時代であったか」と振り返るためには、じつは格好の資料だと思いますよ。「停滞・後退」というイメージの強い1990年代を送る中で、すっかり摩滅させ忘れ去っていた何かが、この本の中に見える気がし...

今さらそんなの読んでるのか、と言われそうですが……(苦笑)。でも、「1980年代とはどういう時代であったか」と振り返るためには、じつは格好の資料だと思いますよ。「停滞・後退」というイメージの強い1990年代を送る中で、すっかり摩滅させ忘れ去っていた何かが、この本の中に見える気がします。ある意味、史料的価値がありますね(笑)(20070215)

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