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ヘルメスの音楽 の商品レビュー

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2020/07/17

「ニュー・アカデミズム」の旗手として一世を風靡した著者による、芸術、とくに音楽についてのエッセイを収録しています。 たびたび言及されているのは、やはりドゥルーズ=ガタリの議論です。著者は、「欲望する機械」を下敷きにしつつ、「私的体験のトポス」からできるだけ遠く離れ、「メタリック...

「ニュー・アカデミズム」の旗手として一世を風靡した著者による、芸術、とくに音楽についてのエッセイを収録しています。 たびたび言及されているのは、やはりドゥルーズ=ガタリの議論です。著者は、「欲望する機械」を下敷きにしつつ、「私的体験のトポス」からできるだけ遠く離れ、「メタリックな音楽」を求めています。そのことは同時に、印象批評を超える批評言語をつくり出す試みでもあるはずです。ただ、現在から見ると、著者の議論のスタイルは1980年代という時代を感じさせるものであることは否定できません。 音楽以外のものをあつかった文章には、フェルメールおよびフランシス・ベーコンを論じたエッセイが収録されています。ベーコンにかんしては、ドゥルーズも『フランシス・ベーコン―感覚の論理学』の一書を著しており、当然著者の議論にもその影響を見ることができるのですが、本書における著者の議論は「意味から強度へ」というスローガンにそった、明快でやや図式的な解釈にとどまっているように感じました。

Posted byブクログ

2014/10/05

[ 内容 ] 〈交通〉の神ヘルメスの名のもとに、音楽や絵画をめぐりながら、〈意味〉と〈情念〉の罠をくぐり抜け、〈外〉へと軽やかに〈逃走〉する、20世紀末の思考の実験。 [ 目次 ] リトゥルネッロ―〈ソン・メタリック〉の消息 戦争―ヘルメスの遊戯としての シューマンを弾くバルト...

[ 内容 ] 〈交通〉の神ヘルメスの名のもとに、音楽や絵画をめぐりながら、〈意味〉と〈情念〉の罠をくぐり抜け、〈外〉へと軽やかに〈逃走〉する、20世紀末の思考の実験。 [ 目次 ] リトゥルネッロ―〈ソン・メタリック〉の消息 戦争―ヘルメスの遊戯としての シューマンを弾くバルト 最後のピアニスト―マウリツィオ・ポリーニを聴く 偉大なるもぐらの思い出―グレン・グールドを聴く 無声で呟かれる〈死〉―マラルメ/ブーレーズ/デリダを〈聴く〉 キノコの音楽―ジョン・ケージを聴く 少女になった少年になった少女の話 デルヴォー―あらゆる終りのあと永遠の黄昏の中にたたずむ フェルメール 光の充溢 F・Bの肖像のための未完のエキス [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ

2009/10/04

〈交通〉の神ヘルメスの名のもとに、音楽や絵画をめぐりながら、〈意味〉と〈情念〉の罠をくぐり抜け、〈外〉へと軽やかに〈逃走〉する、20世紀末の思考の実験。

Posted byブクログ