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特攻 の商品レビュー

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2022/03/07

嘔吐、嫌悪感を催す事実。 ・1942年のアルミニウム生産において、航空機生産に向けられたのは僅か69%に過ぎなかった。戦時の挙国一致などという言葉は、タテマエに過ぎず、腐敗がはびこる、この実態こそが戦争を戦う日本軍部の虚偽に満ちた真の姿だった。 ・特攻において、戦果の確実性への期...

嘔吐、嫌悪感を催す事実。 ・1942年のアルミニウム生産において、航空機生産に向けられたのは僅か69%に過ぎなかった。戦時の挙国一致などという言葉は、タテマエに過ぎず、腐敗がはびこる、この実態こそが戦争を戦う日本軍部の虚偽に満ちた真の姿だった。 ・特攻において、戦果の確実性への期待は、希望的観測に過ぎず、科学的根拠は無かった。どの程度の戦果が得られるかについて、海軍の場合、研究すらされなかった。特攻機は戦場到達前に撃墜され、目的を遂げず、徒労の死であった確率はむしろ圧倒的であったのだ。 ・比島の戦いも敗北で終わり、全搭乗員が引き上げることになったとき、『あとに残って最後まで戦い、比島に骨を埋める』覚悟を述べた指揮官たちが、なんと搭乗員たちより先に台湾へ引き揚げていて、輸送機から降りた搭乗員たちの前に現れるという離れ業をやって、不信と顰蹙を買った。そのなかに某指揮官もいた。 ・たびたび引用される猪口・中島の言い訳じみた著作。この著書に対し、作家大岡昇平は「元参謀が『きけわだつみのこえ』(1949年刊)に対抗して神風特攻を正当化するために書いた本であるから志願を美化する意向が働いている」という批判を展開している。もっともなことだと思う。

Posted byブクログ