アーミッシュに生まれてよかった の商品レビュー
ちょっと不便だけど、いい暮らし 【内容】 少女ケティの目を通してアーミッシュの暮しを描く。 いろいろ矛盾点を感じつつも、あるいは現代の暮らしに魅せられつつも、アーミッシュの暮らしが好きなケティ。 【感想】 ここまでではなくても、ある段階で意識的に文明を停めて、あとはいくらかの不便...
ちょっと不便だけど、いい暮らし 【内容】 少女ケティの目を通してアーミッシュの暮しを描く。 いろいろ矛盾点を感じつつも、あるいは現代の暮らしに魅せられつつも、アーミッシュの暮らしが好きなケティ。 【感想】 ここまでではなくても、ある段階で意識的に文明を停めて、あとはいくらかの不便さを楽しみながら生きていくべきなのだろう。 そうしなけれは滅びが早まる、人類全体にとって重要なこと。 日本で言えば昭和30年あたりがボーダーなのではなかろうか。 それ以降は不必要な文明の進化かもしれない。(2012年11月25日読了) 簡単なリスト 【アーミッシュ旧派】オールド・オーダー・アーミッシュ。ケティの属する宗派。伝統を守るスイス系でも一番規律が厳しい。 【アーロン・キング】イーライの悪友。お母さんの覚えはあまりめでたくない。が・・・ 【アウスブント】アーミッシュの讃美歌集。楽譜がついていないので礼拝に出て覚えるしかない。 【悪】私たち人間はね、みんな生まれながらに悪いことをしているのよ。(by母さん p.168) 【イーライ】兄さん。21歳。ジェイコブが内緒で聴いてるラジオはイーライのもの。 【美しいもの】本当に美しいものは、たとえば夕日の赤い色や、そよ風に揺れる麦の波よ。(by母さん p.19) 【お祭り】よくない。 【顔】清潔かどうかという程度のこと以外、顔のことには触れないのがアーミッシュ流。 【鏡】子どもが鏡を見るのもあまりよいことではない。 【火事】「いいかい。神様がお与えくださるものはお受けするんだ。決して気を落としていてはいけない。神様はわたしたちを戒めるために火事をくださったのだ。」(by父さん p.124) 【グロリア・キッシンジャー】ケファーさんちにやってきたちょっと派手目な少女。非アーミッシュ的なものを持ち込むのではと皆が恐れ、同じ学校に通うことになったが、他の生徒とは互いになかなか打ち解けることができない。 【ケティ】主人公。物語開始時はもうすぐ12歳。「わたしはなにがなんでも本物のアーミッシュになるわ!」 【言葉】日常的には英語を使わない。ペンシルヴェニア・ダッチというドイツ語系の言葉を使う。 【サーカス】よくない。ただし、動物を見に行くことは悪いことではない。 【サンタクロース】いない。 【ジェイコブ】ケティとは双子の兄か弟。隠れてラジオを聴いたりしてる。 【自慢】自慢することはアーミッシュがしてはいけないことの中でも、最も悪いことだからだ。(p.23) 【写真】写真を撮らせてはいけない。 【15歳】学校を卒業する。アーミッシュは8年間しか学校に行かない。それ以上は大地とともに生きるための役には立たないから。 【ズーク】ケティの名字。 【先生】アーミッシュではない。黒髪がカールしている優しげな女性。 【違うこと】それから母さんは、ほかの人たちと違うことは立派なことだし、世の中にあるいろんなものはいいことだとも教えてくれた。(p.19) 【デイヴィッド・ベイラー】いたずらをしかけてくる憎たらしい男の子。当然、ケティに気があるのだろう。 【テレビ】悪魔が作ったもの。 【ナオミ】姉さん。物語開始時はもうすぐ23歳。金髪が柔らかくカールしていて、ケティにはうらやましい。 【派手なドイツ人】ゲイ・ダッチ。皆、避けたがってる。 【反省】実は、誰もが欲望に負けたりしてるが、反省し皆に白状し本来の暮らしに戻ることが大切。 【ボタン】服のボタンもよくないようだ。いくらか装飾的だから?地味なものを隠すように使うか、代わりにかぎホックを使う。 【ラジオ】悪いもの。中毒性あり。
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素敵な生活だが,大変だぁ~ペンシルベニアの農場に住むケティは11歳で,父母・姉・兄・双子のジェイクと住み,忙しい毎日を過ごしている。ジェイクは納屋で洗礼前の兄が隠していたラジオを発見し,悪いこととは知っていてもケティも夢中になってしまう。イングリッシャーの女の子グロリアが転入して...
素敵な生活だが,大変だぁ~ペンシルベニアの農場に住むケティは11歳で,父母・姉・兄・双子のジェイクと住み,忙しい毎日を過ごしている。ジェイクは納屋で洗礼前の兄が隠していたラジオを発見し,悪いこととは知っていてもケティも夢中になってしまう。イングリッシャーの女の子グロリアが転入してきて,その服に魅了されてしまい,欲してはいけない赤いロケットが気になる。姉さんは22歳で,アーロンと結婚宣言の礼拝を受けるために,家族と一緒に集会には出掛けなかった。男性が村のみんなに宣言し,姉を家に迎えに行くのだ。本来なら11月の結婚式が早まるかも知れないと喜んだが,アーロンは場所競争をして両脚を骨折してしまった。ラジオは気が付いた父が隠したらしい。サーカスに行って動物を見る分には良いだろうと,子どもと父母が町に出掛けている最中に落雷が納屋にあり,大事に育てていた仔牛も死んでしまった。村の皆で納屋を建て直し,姉の結婚式が食器持ち寄りで行われ,新築なった納屋がゲーム会場となった。姉夫婦は馬車で遠くの親戚を何週間も掛けて訪ねていく。クリスマスには父と祖父から花嫁道具箱を貰い,母から貰ったキルトを大事にしまった。クリスマスの晩,屋根裏から人の声が流れてきてジェイクと共にラジオを発見したケティは祖父の小屋に隠す。グロリアの母が病死しシカゴに父と暮らすと去ってから,グロリアの面倒をみていたケファーさん夫妻が息子と住むために家を競売にかけた時,グロリアが持っていたボタンの入った缶をなけなしの50セントで競り落とそうとも考えたが,父が兄のために農場を競り落としたいと知って断念し,その50セントが決め手となって隣の農場を手に入れることができたので,ケティはこれからもアーミッシュとしての誇りを持って生活することを決めたのだった~何故,図書館は前の棚に出していたのか? 異文化について子どもに考えさせたかったのか。はまったのは,おっさんだったが。アーミッシュというのはキリスト教の一宗派で,もとはメノナイト宗派という新約聖書の教える徹底的な平和主義を貫く宗派にいたが,ジェイコブ・アマンという人を中心に17世紀の初めに独立し,ドイツ人と共にアメリカへ18世紀に移民した人々で,伝統を重んじた農作業で暮らしている。電気も引かず自動車も使わず,クリスマスツリーも立てず,電話やテープレコーダーを嫌い,ラジオやテレビから知らなくても良いような声が流れてくるのを嫌う。派手な色彩は用いず,男は顎髭を伸ばし,女性は長いスカートを履き髪をボンネットで覆う。飾りの一切を避け,ボタンも見えないところに使う。「すべてのものを識別して,良いものを守れ」という基準がある。水洗式のトイレは各家庭に取り入れられていて,電気器具を用いるニュー・オーダー・アーミッシュもいるが,自家発電で使用しているため,電気線の引き込みは今もない。欲望と戦いながらの生き方は最も尊く,不自由であるが,責任と自覚を持っていなければならない・・・大変だ。可愛いと外部の人から言われても自慢や自惚れは最も慎まなければならないことだ。電池を使うのはOKらしい。彼らの使う言葉はライン河の西側で使われていたものでスコットランドやアイルランドの言葉を借り,現在は英語も入ったペンシルヴェニア・ダッチだ。アーミッシュではないドイツ人をゲイ・ダッチと呼び,よそ者はなべてイングリッシャーと呼んでいる。政治に無関心な訳でもないが,争いは避ける徹底的な平和主義だが,農場を買う時には,この物語でも5万ドルを出す訳だから金欠ってわけでもない。煙草やトウモロコシ,ジャガイモを生産し,仔牛を太らせて売ってもいる。結婚式の調理代を参加者から拠出させ,一人1ドルにもなったと主人公に驚かせ,子守代として手に入れた50セントを大事に持つ少女,質素・倹約・仲間との協力・信仰を維持していくのだろう
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子供向けに書かれているのでアーミッシュに手軽に触れられる作品。 宗教的な理由でお洒落をしたり、便利な道具を使ったりできない女の子が、それはなぜなのか?と考えるのだけど、結局「それが歴史だから」という答えで終わっている気がする。それ以上問い詰めようもないのだけど。 でも、皆が「きま...
子供向けに書かれているのでアーミッシュに手軽に触れられる作品。 宗教的な理由でお洒落をしたり、便利な道具を使ったりできない女の子が、それはなぜなのか?と考えるのだけど、結局「それが歴史だから」という答えで終わっている気がする。それ以上問い詰めようもないのだけど。 でも、皆が「きまり」を破った経験をこっそり持っていて、今はそれを遵守している、という所に答えがあるのだと思う。
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