自己愛人間 の商品レビュー
小此木啓吾は、非常に…
小此木啓吾は、非常に文章がうまい精神分析医だ。ということは、話も面白いはずだし、きっと、たくさんの人の心の病を和ませてきたことと思う。この本は、現代に特徴的な「ナルシシズム=自己愛」の「病」としての特徴を分析し、それが、本当に「病」なのかどうかを考察した本。誰もがうなづける事例を...
小此木啓吾は、非常に文章がうまい精神分析医だ。ということは、話も面白いはずだし、きっと、たくさんの人の心の病を和ませてきたことと思う。この本は、現代に特徴的な「ナルシシズム=自己愛」の「病」としての特徴を分析し、それが、本当に「病」なのかどうかを考察した本。誰もがうなづける事例を豊富に引用していて、読みやすい。この本を読んで、病を克服した人がたくさんいそうな気がする。
文庫OFF
自己中心的な、自己愛が強い人の精神構造を丁寧に解説した本。非常に分かりやすく、面白く読みました。人間誰しも自己愛は持っていて、一定の自己愛は生きるに必要であるけれども、自己愛が肥大すると我儘で依存的な自己愛人間になってしまうという。読みながら自分にも当て嵌る部分があり、身につまさ...
自己中心的な、自己愛が強い人の精神構造を丁寧に解説した本。非常に分かりやすく、面白く読みました。人間誰しも自己愛は持っていて、一定の自己愛は生きるに必要であるけれども、自己愛が肥大すると我儘で依存的な自己愛人間になってしまうという。読みながら自分にも当て嵌る部分があり、身につまされました。精神分析の本はこれからも色々読みたいです。
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小此木啓吾 「自己愛人間」 フロイト的 ナルシズム論 自己愛の定義はわかりやすい。病的な自己愛に陥らないためには 自我理想の回復と誇大自己の抑制と解釈した。 病的な自己愛人間とは「思い込みの中で暮らし、現実と繋がらない所で自信を持つ」ような人間。健康的な自己愛とは 社会の相互...
小此木啓吾 「自己愛人間」 フロイト的 ナルシズム論 自己愛の定義はわかりやすい。病的な自己愛に陥らないためには 自我理想の回復と誇大自己の抑制と解釈した。 病的な自己愛人間とは「思い込みの中で暮らし、現実と繋がらない所で自信を持つ」ような人間。健康的な自己愛とは 社会の相互性を通して アイデンティティを確立したもの モラトリアム人間は 現代人に 当てはまる モラトリアム人間=国家、組織、イデオロギーに 自己を賭ける アイデンティティを持つことを回避し、自己愛を大切にする 現代の日本社会は 自己愛社会 *現代人のモラトリアム化→ 自我理想の喪失→誇大自己の肥大→自己愛人間社会へ *裸の自己愛=アイデンティティ−自我理想(集団幻想) *自我理想=社会的、歴史的な意義を持って 自分を全うする 自己愛人間とは *自己愛が肥大した人間〜自己愛を満たす事が毎日の関心事〜食欲、人との関わりも全てが 自己愛を満たす手段 *主観的で幻想的〜自己像が 自分の思い通りであることが重要 *自己破滅や迫害の脅威から目を背け 負の世界の現実を否認 *人間は 「自分だけは特別」で 永遠なものにつながっている(全能感)を 深層心理の中に持っている
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自己愛人間。小此木啓吾先生の著書。健全な自己愛はとても大切な一方で、自己愛が必要以上に肥大してしまうと自己愛過剰の自己愛人間になってしまう。そんなの自己愛人間の定義や特徴、自己愛人間の精神構造、自己愛人間ができる背景などをわかりやすい言葉で丁寧に解説している良書。
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エゴイスティックな自己愛を肥大化させた現代人の精神と、それを助長する消費社会についての考察です。 著者は、「アイデンティティ」から集団幻想としての「自我理想」を差し引いたとき、「裸の自己愛」が残されるという図式を示しています。アイデンティティとは元来、自己を取り巻く社会との関係...
エゴイスティックな自己愛を肥大化させた現代人の精神と、それを助長する消費社会についての考察です。 著者は、「アイデンティティ」から集団幻想としての「自我理想」を差し引いたとき、「裸の自己愛」が残されるという図式を示しています。アイデンティティとは元来、自己を取り巻く社会との関係のなかで見いだされるはずのものです。そこには、単にエゴイスティックな自己拡張への要求を克服したところに、みずからの理想的なあり方を求めようとする「自我理想」が含まれていなければなりません。ところが、現代人の精神はそうした「自我理想」を欠如させており、剥き出しの自己愛が追求されています。しかも現代の消費社会は、そのような自己愛を追い求める人びとの欲望に答える商品を次々に生み出しており、そのことがますます「自己愛人間」の病理を深めていると著者は主張しています。 文庫版に付加された「補遺」には、フェダーンやコフート、ジェイコブソンといった人びとの考えが紹介され、精神分析学の中での「自己愛」の歴史がごく簡単に解説されており、勉強になりました。
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ナルシズムが必ずしも悪だとは限らないが、自分である程度コントロールできるようにならなければならないと改めて感じた。社会問題にも通じていたし、また親の在り方を考えさせられる本だった。
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<memo> 嫉妬:優越欲求 ▼ 自己愛の延長 自分が価値ある人間と考える 相手を人間として尊重せず「もの」と考える ▼ 自己価値を維持
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小此木先生の本の中で一番の名著だと思う本。一般の人にもわかるように書かれているため大変読みやすいです。そして真剣に読むと(前書きにもありますが)自分はなんと自己愛人間かとしょんぼりします。でもおすすめ。こういう本に抵抗のない本読みの方にも良いと思います。
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ゼミでお世話になった先生の著書。 そして,卒論テーマの大枠も自己愛であった。 というわけで,大学の時に何度も読み返した本。 今,読んでみても納得できる部分は多い。 理想自己と現実自己の葛藤をどのように解消していくのか。 拙い卒論を思い出してしまう。 今思えば,この先生...
ゼミでお世話になった先生の著書。 そして,卒論テーマの大枠も自己愛であった。 というわけで,大学の時に何度も読み返した本。 今,読んでみても納得できる部分は多い。 理想自己と現実自己の葛藤をどのように解消していくのか。 拙い卒論を思い出してしまう。 今思えば,この先生に指導してもらえたのは財産である。
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