森センセイは本日休講 の商品レビュー
実家の本棚でみつけた。30年近く前の対談集。ホストは森毅、相手は、糸井重里、井上章一、上野千鶴子、小倉千加子、杉浦日向子、富岡多恵子、なだいなだというけっこうな顔ぶれ(顔写真がとにかく若い!)。 1992年刊行だが、実際の対談は1989年辺りに共同通信が企画して全国の新聞に配信さ...
実家の本棚でみつけた。30年近く前の対談集。ホストは森毅、相手は、糸井重里、井上章一、上野千鶴子、小倉千加子、杉浦日向子、富岡多恵子、なだいなだというけっこうな顔ぶれ(顔写真がとにかく若い!)。 1992年刊行だが、実際の対談は1989年辺りに共同通信が企画して全国の新聞に配信された記事とある。というわけでこの本の中では当然まだ意識も言及もないが、昭和から平成になりバブルが弾ける直前頃の時代の雰囲気が濃厚に感じられる。 「女性が元気」といわれる時代だったが、フェミニスト二人との対談の中では、女性と言っても元気なのはおばさん(専業主婦)だけで、職業女性と家庭女性の分断が問題だと見抜き、性別の壁を超えた交流が大事ではないかと説く。杉浦日向子とは江戸礼賛で、なだいなだとは脱学校で意気投合。 国際化の時代は「純粋」「正調」より、なまり(その人の匂い)があるごちゃまぜ自分語でいいんじゃないとか、男らしさ女らしさという枠に縛られずにクロスオーバーせよとか、週休二日よりフレックスタイム制がいいんじゃないかとか、安定志向より流動化にたえる教育を、登校拒否を減らすより登校拒否してもうまいこと現在の社会を利用しながら生きられるような社会になればいい、教室は舞台だ(=教師は「見られる」存在)のように、30年前の森一刀斎がすでに、いまわたしたちが目指している多様性を尊ぶ多文化共生の境地にいることにあらためて感銘を受ける。 しなやかさがウケてたようでいて、ちょうど長いトンネルの平成の間、あまり本気で受け止めてこられなかったのかもしれないと惜しまれる。去年没後十年でベストエッセイ集などの記念出版もあったが、もっとひろく再発見されてほしい気がする。
Posted by
ふるさとって何なのよ 糸井重里対談. 二代目はますます花盛り 井上章一対談. オバサンは資本主義を超える 上野千鶴子対談. 男は女らしく、女は男らしく 小倉千加子対談. 遊びをせむとや生れけむ 杉浦日向子対談. 今どきスキャンダル考 富岡多恵子対談. たかが学校じゃないの なだい...
ふるさとって何なのよ 糸井重里対談. 二代目はますます花盛り 井上章一対談. オバサンは資本主義を超える 上野千鶴子対談. 男は女らしく、女は男らしく 小倉千加子対談. 遊びをせむとや生れけむ 杉浦日向子対談. 今どきスキャンダル考 富岡多恵子対談. たかが学校じゃないの なだいなだ対談.
Posted by
- 1