写真集 水俣 の商品レビュー

中尾ハジメ(訳者),W.ユージン・スミス(写真家),アイリーンM.スミス(写真家)

2018/01/19

有名な写真集だが、写真集と言うには文章が多く、写真の多いルポルタージュという印象。「苦海浄土」で描かれた出来事をスミス夫妻の視点から眺め直すことができる。このルポルタージュでは裁判勝訴後の患者たちの様子、特に胎児性患者である坂本しのぶの生き方が描かれており、そこは「苦海浄土」では描かれていないところなので印象的だった。とはいうものの、水俣関係の書籍に目を通せば通すほど、石牟礼道子の描写のすごさを思い知る。