罪深き緑の夏 の商品レビュー
タイトル通りまさしく…
タイトル通りまさしく「罪深い」話ではあった。耽美・幻想的な雰囲気と美しい文章、空気感が絶品。まるごと1冊楽しめる。
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澁澤龍彦へのオマージ…
澁澤龍彦へのオマージュが込められているのかもしれません。耽美・幻想傾向の強いミステリーです。
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美しく残酷な一家と、…
美しく残酷な一家と、ゴシックな館。道具立てが素晴らしく、ラストの意外な結末にも驚かされました。
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主人公の独白を交えて進むストーリー。著者特有の流麗な文体は変わらない。また「女」「父」と言った単語が誰を指すのか分かりづらい場面が多い。他の方のレビューにもある通り複数の伏線や謎が回収、解明されないまま終了。読者の想像に委ねるということなのかもしれないが、個人的に少々キャパオーバ...
主人公の独白を交えて進むストーリー。著者特有の流麗な文体は変わらない。また「女」「父」と言った単語が誰を指すのか分かりづらい場面が多い。他の方のレビューにもある通り複数の伏線や謎が回収、解明されないまま終了。読者の想像に委ねるということなのかもしれないが、個人的に少々キャパオーバーでした。シメールもそうだったけど正直消化不良な作品。ただゴシックな時代背景、雰囲気を味わうにはうってつけかも。
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その文体と世界観に、何度も時代設定を見誤りながら読んでいた。 なんというか、世界観や雰囲気ばかりがものすごく迫ってきて、肝心のミステリー部分に目がいかなかった。 初の服部作品。 他のも読んでみよう。
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横溝正史賞受賞後第1作の本書はなんとも幻想味溢れるミステリ。 熱海にある「蔦屋敷」と呼ばれる洋館をひょんなことから訪れた画家の山崎淳はそこで百合という美少女に出会う。12年後、淳の腹違いの兄の婚約者として百合と再会して以来、奇怪な事件が続発する。画廊で火事が起こり、淳の絵が焼失...
横溝正史賞受賞後第1作の本書はなんとも幻想味溢れるミステリ。 熱海にある「蔦屋敷」と呼ばれる洋館をひょんなことから訪れた画家の山崎淳はそこで百合という美少女に出会う。12年後、淳の腹違いの兄の婚約者として百合と再会して以来、奇怪な事件が続発する。画廊で火事が起こり、淳の絵が焼失し、画廊の主人が焼死してしまう。さらに百合の兄はドライヴ中に事故を起こし、百合を半身不随にしてしまう。 全編貫かれるのはデビュー作『時のアラベスク』の世界観を更にもっとディープに耽美の方向へ推し進めた幻想的なミステリ。『時の~』はちょっとBL系の香りが漂っていたが、本作ではロリコン趣味を巡る兄弟の狂気の愛という味わい(すみません、こっち系の世界は疎いので、独断と偏見で書いてます。大いに勘違いしていたらゴメンナサイ!)。 森に佇む洋館にそこに住まう美少女という設定からして禁断の匂いを感じさせるし、その彼女に恋する腹違いの兄と父親の弟子と主人公の三つ巴というのも既にカタストロフィの予兆の足音が聞こえてくるのが解る。一種毒気ともいえるこの怪しい世界はなんとも現実離れしている。綺麗なバラには棘があるというが、本書はまさにそれ。 こういうのが好きな人には本書は堪らないかもしれない。秘密の果実の味わいに加えて、ミステリとしての謎と真相が盛り込まれているのだから、没頭すれば没頭するほど、陶酔感とカタルシスが得られるだろう。 しかしやはり私はこういうのはダメ。どうにものめりこめなく、生理的に受け付けない。好きな作家トレヴェニアンでさえ、同趣向の『バスク、真夏の死』は受け付けられなかった。 従って本書の評価は完全に私の趣味と嗜好の違いによる物だ。 本書の表紙も天野氏であるが、既に絶版である。私も既に売ってしまい、手元にない。作者もすでに亡くなっている事から、本書もまた出版界の奔流に飲まれて消え去る1冊になっていくだろう。もし持っている方がいれば、もはや手に入らない1冊なので、私の評価を参考せず、新しい目で読むことを願っている。
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遠く、夏にいるような、いたような、すぐそばにあるような。でも、別の世界の事のような。絵画の事を齧っていれば、猶更、内容の美しさに深く入り込めるはず。
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甘美な、耽美な世界観に、どっぷり浸かれて、蒸せかえるような華々の香りが厭と言うほどしてきます。 謎解きは、一瞬よく分からなくて読み返したりしたのだけれど、何と無くでしか理解できず、否、そういうものなのかと思い直しました。 何だか僕には複雑で、絡まった糸を解す余裕もないまま終わっ...
甘美な、耽美な世界観に、どっぷり浸かれて、蒸せかえるような華々の香りが厭と言うほどしてきます。 謎解きは、一瞬よく分からなくて読み返したりしたのだけれど、何と無くでしか理解できず、否、そういうものなのかと思い直しました。 何だか僕には複雑で、絡まった糸を解す余裕もないまま終わってしまって(苦笑) 最後あたりの"あんなものが何になろう……"って言葉が痛々しくて、甘くて、すき。
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服部まゆみ第2作。 1作目より随分と文章は読みやすくなり、イメージが鮮やか。 「筋読めてるよね? 切るよ」と言われているような、ばさりと切り捨てられたであろう枝葉末節を読んでみたい。
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服部まゆみ追悼読書の第二弾。むせるような夏草の匂い、幼いころ心奪われた洋館の美少女、白皙で異端の作家、ジル=ド=レイ、そしていばら姫とラプンツェル、、、。背徳の妖しい香りがたちこめる、ただただひたすらに耽美で妖艶なゴシック・ロマン。謎解きの要素が用意されてはいるものの、そんなの...
服部まゆみ追悼読書の第二弾。むせるような夏草の匂い、幼いころ心奪われた洋館の美少女、白皙で異端の作家、ジル=ド=レイ、そしていばら姫とラプンツェル、、、。背徳の妖しい香りがたちこめる、ただただひたすらに耽美で妖艶なゴシック・ロマン。謎解きの要素が用意されてはいるものの、そんなのは些細なこと。作者の美意識がそこかしこに散りばめられた人工的な美の世界に、酔いしれればいい。好き好き大好き。 なぜ私が服部まゆみ作品が好きなのかと言うと、結局は、私も大好きなものがたくさん詰まっているからなのだと、この作品を読んで悟ったわ。ああ、服部さん、、、、涙。その服部さんが今はもういないなんて、、、、涙。 たぶん私、服部作品でこの作品が一番好きだわ。
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