父、卒わる の商品レビュー

つる井通真【著】

2013/12/29

父親に末期の癌がみつかって見送るまでの看病と各自家族を持っているきょうだい達と母親の複雑な思惑の試行錯誤の物語。
母親から一番信頼されている主人公だが時間も財力もなく葛藤しつつできるだけ付添うものの長男である兄の言動にいらだちを隠せない。
この一家にとって兄は期待の星であった…主人公は父親の人生を振り返り掘り起こしていく。それは当然ながら自分の生き様とかぶり影響されていた部分に気づいたりして…。
どこの家でも起こる話であり、どれほど父親のことをしっているか？と読むものに問いかけられる。やがて、みんな似たような終末を迎えるのだと。