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縛られた巨人 の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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天才・南方熊楠の破天…

天才・南方熊楠の破天荒のめくるめく生涯を、同郷和歌山在住の著者が愛情こめて描く。

文庫OFF

2023/10/17

よく調べたなぁ、という感想は本書を読んだ誰もが思うことだろう。 先に水木しげる「猫楠」、熊楠の選集を1冊読んでいたので理解も早い。 というか、申し訳ないが《》でくくられている熊楠の文章の引用はすっ飛ばして読んだ。 本人が書いた文章だけ読んだほうが面白いからである。 本書をさらに脚...

よく調べたなぁ、という感想は本書を読んだ誰もが思うことだろう。 先に水木しげる「猫楠」、熊楠の選集を1冊読んでいたので理解も早い。 というか、申し訳ないが《》でくくられている熊楠の文章の引用はすっ飛ばして読んだ。 本人が書いた文章だけ読んだほうが面白いからである。 本書をさらに脚本家すれば面白い台本もできると思う。 それにしても天才熊楠の息子熊弥は憐れである。DNAの現れ方が違うとこうなってしまうのか……。 ちなみに巻末にある、著者と、自身が熊楠同様躁鬱体質の北杜夫との対談も面白い。

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2023/09/18

南方熊楠の伝記である。多くの本の中で非常に詳しく書かれている。海外、特に大英博物館での話が多いが、これまで言われていたこととだいぶ異なり、具体的に書いている。粘菌のことも書かれているがそれほど詳しくはないようなかんじであるのは、この著者のせいかもしれない。  孫文との関係について...

南方熊楠の伝記である。多くの本の中で非常に詳しく書かれている。海外、特に大英博物館での話が多いが、これまで言われていたこととだいぶ異なり、具体的に書いている。粘菌のことも書かれているがそれほど詳しくはないようなかんじであるのは、この著者のせいかもしれない。  孫文との関係についての詳細に書いているので、他の伝聞よりもましである。  最後は天皇の回想で終わっているが、記録があるということで仕方がないのではあろう。  牧野富太郎の次は南方熊楠が朝の連続ドラマになるであろう。  朝日新聞の文学紀行で和歌山編で紹介された。

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2020/11/22

おそらく躁病じゃないかと書かれているが間違いなくそうなんだろうなと思う。 この気質は高い知能とともに親から受け継いだものなのだろう。 この時代に洋行遊学出来るのはかなりの資産家でないと難しい。 歳を取ると疲れを知らない精神に体がついていかなくなる。 晩年はちょっと可愛そうだった。

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2019/06/24

南方熊楠は、その業績からすごい人だなぁと尊敬してたけど、この本を読んで、とても好きになった。 南方熊楠と言えば「粘菌」。なぜ粘菌だったのかがずっと疑問だったけど、この本を読んでやっと納得ができた。この世界の理を知ることにつながっているのだそうだ。 豪放磊落とは、この人のことだ。そ...

南方熊楠は、その業績からすごい人だなぁと尊敬してたけど、この本を読んで、とても好きになった。 南方熊楠と言えば「粘菌」。なぜ粘菌だったのかがずっと疑問だったけど、この本を読んでやっと納得ができた。この世界の理を知ることにつながっているのだそうだ。 豪放磊落とは、この人のことだ。そして、博覧強記の人。こういう素晴らしい、奔放な才能を、受け入れられない社会が本当に歯がゆいし、今もその状況が変わらないことが残念でならない。 この本の、会話文がとても好きだ。そばにいて聞いてきたのかと思うような生き生きとした会話、口癖のような言い回しや方言のお陰で、人物像がありありと浮かび、親しみが湧いてくる。だから、熊楠先生が窮地に陥るたび、こちらまで地団駄を踏むような気持ちになってしまう。少しでも、自分の努力が報われたと思う瞬間がたくさんあるように、と願いながら読んだ。

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2019/06/20

南方熊楠には以前から関心があって、2~3関連書を手に取ってみたことはあるんだけど、なかなか難しくて読み通せませなんだ。 その点この本は、小説家(神坂次郎氏)が書いているだけあって、大いに読ませます。 もちろん熊楠が残した豊富な文献や書簡などの一次資料を踏まえ、現場現地を綿密に...

南方熊楠には以前から関心があって、2~3関連書を手に取ってみたことはあるんだけど、なかなか難しくて読み通せませなんだ。 その点この本は、小説家(神坂次郎氏)が書いているだけあって、大いに読ませます。 もちろん熊楠が残した豊富な文献や書簡などの一次資料を踏まえ、現場現地を綿密に取材しながらも、和歌山(著者の出身地でもある)の方言を縦横に交えた比較的自由な筆致で熊楠の生きた波瀾万丈の人生を描き切って、読んでいて大変面白いし、内容の豊富さ、記録としての信頼性・網羅性でもピカ一なんではないかと思われます。 尋常ならざりし博覧強記、十八カ国語を操り世界を股にかけ、日本よりむしろ海外で評価の高い天才性と、褌もせずほとんど素っ裸で頓着することがなかった、大酒を食らってはそこらじゅうに放尿嘔吐の跡を残した、という一種異常性の交錯。孫文を始め面白い仲間に恵まれた半面、計算高い弟や、官憲や権威との軋轢。自然保護やバイオテクノロジーへの先見性の一方、世故に疎いがゆえの頓挫・・・。 「縛られた巨人」というタイトルの解題は明示されてはいませんが、精神の巨大さとは裏腹に(あるいは、巨大さのゆえに)、決して如意には行かなかった栄光と陰影に満ちた一代だったのでした。

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2018/10/12

博覧強記の明治人、南方熊楠の人間的魅力がふんだんに語られている。 反骨精神と茶目っ気がここにあります。 [more] (目次) 神童クマグス 天下の男といわれたい わが思うことは涯なし フロリダ泥砂の中に埋もるや 馬小屋の哲人 Ros Marの謎 さらば孫文 龍動水滸伝 リバプー...

博覧強記の明治人、南方熊楠の人間的魅力がふんだんに語られている。 反骨精神と茶目っ気がここにあります。 [more] (目次) 神童クマグス 天下の男といわれたい わが思うことは涯なし フロリダ泥砂の中に埋もるや 馬小屋の哲人 Ros Marの謎 さらば孫文 龍動水滸伝 リバプールふたたび 孫文の白いヘルメット 熊野蒙昧の天地 わが頭抜けて那智山中を飛ぶ われに恋慕の思いあり 帰りなんいざ 小生いまだ女を知らざりしなり 稲八金天大明権現王子の出現 予、警察署長を蛙の如く投げ 人魚の裁判 われゲスネルのごとく 人の交わりにも季節あり 蚤をとるか天下をとるか 時空のミケトゾア 雨にけぶる神島を見て 熊楠への旅のおわりに 対談 人間・南方熊楠に迫る(北杜夫・神坂次郎)

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2018/07/12

南方熊楠の伝記。 大量の読書や、1日に何十キロも歩く、まさに晴耕雨読の極みの人。 世界を転々とし、死の際には、17歳の時に決めた目標にしていた人物のおよそ2倍の採集をし、夢を実現したことに感動。 まさに「夢中」に人生を生きた人。

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2018/04/15

リリース:茂樹さん キャッチ:あぜやん テーマ:おすすめ本 粘菌(年金ではないよ)の採集研究で有名な人物の 伝記。

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2016/06/02

天才で変人で情熱的。科学の天才にありがちな、モノには興味があるがヒトにはあまり興味がない、(偏見?)というような感じがなく、 見合いのあとに嬉しすぎて、御見合い相手のお父さんに熱意ある手紙を送るのだけど、あまりに気持ちが高ぶってそこに英語だかドイツ語だかが混じってしまう、とか、そ...

天才で変人で情熱的。科学の天才にありがちな、モノには興味があるがヒトにはあまり興味がない、(偏見?)というような感じがなく、 見合いのあとに嬉しすぎて、御見合い相手のお父さんに熱意ある手紙を送るのだけど、あまりに気持ちが高ぶってそこに英語だかドイツ語だかが混じってしまう、とか、それでいて結婚してみると布団にカビが生えていて奥さんが驚いた、とか、そんなエピソードが大好きです。

Posted byブクログ