タマや の商品レビュー
目白4部作の一つ。ネ…
目白4部作の一つ。ネコを押し付けられて困ってしまった青年の、周囲の変な人達との交流、自分探し。とってもリアルな若者像。面白いです。
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小林夏之という青年が、恒子さんの弟のアレクサンドルからネコの世話をたのまれることになり、さらに失踪した恒子さんをさがす藤堂冬彦も彼の部屋に居候をすることになり、三人の男の同居生活が開始します。 巻末に収録されている「「タマや」について―あとがきにかえて」のなかで著者は、「この小...
小林夏之という青年が、恒子さんの弟のアレクサンドルからネコの世話をたのまれることになり、さらに失踪した恒子さんをさがす藤堂冬彦も彼の部屋に居候をすることになり、三人の男の同居生活が開始します。 巻末に収録されている「「タマや」について―あとがきにかえて」のなかで著者は、「この小説のテーマは、一ことで言うなら、ネコも人間も、生れて来る子供の父親の正体を探そうとしても無意味だ、ということになるでしょう、ということは、自分の正体についても、また同じことです」とはっきりと述べています。また武藤康史の「解説」には、本書で参照されている文学作品や映画作品などの照合がおこなわれており、ネコの避妊手術に反対するアレクサンドルの意見の根拠となっている新聞の時評についても、見田宗介の文章であることが明らかにされています。 カギカッコのない三人の同年代の男たちの対話がつづくという本作のスタイルのためなのかもしれませんが、この奇妙な同居生活の描写から、三人の男の同質性を強く感じさせます。そして彼らの言動の中心には、失踪した恒子や夏之と冬彦の母親といった「ファム・ファタル」的な女性がおり、あるいはネコのタマが位置しています。そうした作品の構成に、著者の批評的なまなざしを見いだすことも可能であるように思います。
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だらだら続くするする読める文章。 皆まったりしてるなあ。雰囲気は寂しいけど。 文章教室と違って、彼らとは友達になりたいと思う。なんだろうなあ、世間一般では駄目かもだけど、言うことに妙に説得力と高潔さがある。
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