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社会の概念と運動法則 の商品レビュー

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2015/04/22

『フランス社会運動史』の序論にあたる部分の邦訳。倫理の現実態としての国家の原理は自由であり、所有の量・種類の差異によって階級分化が発生する社会の原理は不自由であるとする概念規定から出発し、この社会と国家の矛盾から人間共同体の運動が生じるというのがシュタインの基本認識である。そこか...

『フランス社会運動史』の序論にあたる部分の邦訳。倫理の現実態としての国家の原理は自由であり、所有の量・種類の差異によって階級分化が発生する社会の原理は不自由であるとする概念規定から出発し、この社会と国家の矛盾から人間共同体の運動が生じるというのがシュタインの基本認識である。そこからシュタインは、自由を実現するためには社会だけでは不自由を解決できず、憲政(Verfassung)と行政(Verwaltung)による社会問題の解決が必要であるという一般「法則」を提示する。このような法則を実証するのが、大革命以降のフランス社会であり、その研究の重要性、ならびにその研究を「学問」にまで高めることにドイツ人の使命があると説かれる。シュタインの基本的な考えを知るために最良の一冊であろう。

Posted byブクログ