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モーツァルトの生涯(3) の商品レビュー

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2024/11/02

本書はもともと1984年に発行されたハードカバーA5版の本を、1991年に新書サイズで3冊に分けて発行された本の3巻目である。 本を選ぶ際の参考として付け加えれば、2006年にはリクエスト復刊と帯に書かれたA5版の新装版が出て、また最近(2024年)になって書物復権という帯が付い...

本書はもともと1984年に発行されたハードカバーA5版の本を、1991年に新書サイズで3冊に分けて発行された本の3巻目である。 本を選ぶ際の参考として付け加えれば、2006年にはリクエスト復刊と帯に書かれたA5版の新装版が出て、また最近(2024年)になって書物復権という帯が付いて復刊している。 1991年はモーツァルト・イヤー(没後200年)だったので、それに合わせて新書版が発行され、2006年はモーツァルト・イヤー(生誕250周年)だったので復刊されたのだろうが、2024年の復刊の理由は何であろうか。 さて、「モーツァルトの生涯」は全11章から成り、新書版は下記のように分割されている。第3巻は1784年以降が描かれている。 【第1巻】 第1章 神童モーツァルト誕生 第2章 幼な子の旅路 第3章 イタリアへの旅 第4章 宮廷音楽家の日々 【第2巻】 第5章 自立への試み 第6章 冬のパリへ 第7章 ザルツブルクとの訣別 第8章 新世界にて 【第3巻】 第9章 巨匠期の光と影 第10章 迫り来る夕暮 第11章 最後の時が鳴る モーツァルト評伝は、かなりの数が出ているが、その中でもおそらく一番詳しく書かれているのが本書である(2024年現在)。モーツァルトの生涯を知るための初めの1冊には明らかに向かない少々固めの本だが、中級者以上でモーツァルトの本はもう何冊も読んでおり、さらに詳しく知りたいという方には向いている。 先述した通り、底本は1984年発行で、新書化の際に作品の成立年代についてはプラートやタイソンによる研究成果を取り込んだと、"あとがき"に書かれていたが、やはり少々古いことは否めない。モーツァルトの解釈や、書かれている言葉遣いに関してもそう感じる。近年の研究成果を取り入れたもっと詳しい本、あるいはこれに比類する本が出てくれればいいのだが。

Posted byブクログ