孔子 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
この本はとにかく面白いです! この本では孔子を神のように崇め奉るのではなく、あくまで「人間」孔子を探究していきます。徒に孔子を神格化し聖人君子のように描くのではなく、時代背景から丁寧にその生涯を追っていきます。なぜ孔子が世に現われ、彼の教えが中国に広まっていったのかがよくわかります。 この伝記ではまさに孔子その人だけでなく、彼の生きた時代も見ていくことになります。孔子が何を望み、何に苦しんだかを学べるのは非常に刺激的です。著者の語りも素晴らしく、ものすごく読みやすいです。
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いろんな人の孔子(孔子伝)を読んできたが、一番おもしろかった。何か小説を読んでいるような感覚で読み進めていた。最後の数章は、いつもの加地伸行節だったが。
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孔子の生涯と彼の生きた時代を分かりやすい言葉で解説した伝記。 本書は、孔子が死者と交わる「原儒」の家系の母を持ち、けっして幸福とは言えない出生を迎えたことから彼の生涯についての解説を始める。その後の孔子は、個人儀礼を司る原儒の思想的系譜から脱して、周王朝の文化として伝わる国家な...
孔子の生涯と彼の生きた時代を分かりやすい言葉で解説した伝記。 本書は、孔子が死者と交わる「原儒」の家系の母を持ち、けっして幸福とは言えない出生を迎えたことから彼の生涯についての解説を始める。その後の孔子は、個人儀礼を司る原儒の思想的系譜から脱して、周王朝の文化として伝わる国家ないし社会のレヴェルの儀礼を受け継いでいくことを、みずからの使命と考えるようになる。 こうした立場に立って、孔子は魯国の政治改革を志し、一定の政治的影響力を持つようになるが、やがて時流に迎えられることなく、その後は活躍の舞台を求めて各地を訪ね歩くことになる。 著者は孔子を聖人君子として描くのではなく、自分の才能を生かす場所を求め続けた孔子という人物の人間像に迫ろうとしている。
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