亡国の予言 の商品レビュー
私が大学生の頃、岡庭昇さんはリベラルな論客だと認識していて、一時期、古本屋で著書を見かけた時に購入していたことがありました。 しかしその後、●●学会を擁護していると知ってやっぱりダメだと失望したものです。 今回その中から一冊、積ん読書の整理のために速読の練習に読んでみました...
私が大学生の頃、岡庭昇さんはリベラルな論客だと認識していて、一時期、古本屋で著書を見かけた時に購入していたことがありました。 しかしその後、●●学会を擁護していると知ってやっぱりダメだと失望したものです。 今回その中から一冊、積ん読書の整理のために速読の練習に読んでみました。 本書の発行は1991年7月。ちょうどバブルがはじけた直後です。 本書にもバブルの責任を特定の企業を生贄にしてうやむやにしようとしている、という記述があります。 しかしもう30年近く前の本です。時代も大きく変わって今読むとちょっと何のことかよく分かりません。 しかも岡庭さんの批判対象は大きくて漠然としているのでさらによく分かりません。佐高信さんの批判対象はピンポイントで何を批判しているのか一目瞭然なのとは対照的な書き方です。 だからこういう時事的な評論は同時代に読まないといけない、生もののようなところがあります。 一方で、今でも通じるような普遍的なというか、先見の明があったと分かる記述も。 本書には長野オリンピック批判の記述がありますが、東京オリンピックで失敗しさらに札幌に誘致しようとか言ってる現在、その問題意識は正しかったと言えそうです。 他にも食糧問題や食品添加物やコメ自由化批判など、現在に通じる問題を俎上に載せています。 日本は「独裁者亡き独裁国家(ソフトファシズム)」だと批判しています。しかし今思うと当時はまだマシだったのではないでしょうか。 本書にはまた中曽根康弘を批判した項目があります。これはよく分かります。大賛成です。しかし中曽根ですらまだマシだったのです。 その後日本は中曽根を遥かに劣化させた「●倍●三」という大馬鹿殿が8年間も独裁政治を行い、今でもまだ逮捕されずに野放しになって害毒をまき散らしているのです。 本書にはまた今後の世界は三極化していくだろう、その三極とはアメリカ・ソ連・日本だろうという未来予想もあります。 当時の日本はバブルがはじけたとはいえ、まだまだそう思える希望があったのです。 しかし現在の日本は中国や韓国にも追い抜かれ、先進国で一人負けの状態です。岡庭さんの予想をはるかに上回る日本の劣化です。 これは岡庭さんの予想が甘かったというよりは、日本の政治・経済・社会の劣化がそれだけ激しかったということではないでしょうか。 ともかく本書で批判されている問題点はほとんど解決されておらず現在まで先送りになっており、それが日本の停滞及び劣化をもたらしているように思えます。 そういう意味では本書の内容は古くはなっていないのです。 OLDIES 三丁目のブログ オカニワダムスの大予言は当たったのか『亡国の予言』岡庭昇 https://diletanto.hateblo.jp/entry/2022/04/21/200113
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