スーパーエンジニアへの道 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
p9 「アメとムチ」モデルは、道徳律を加味した直線的モデルの一例である。それは、ひとつただひとつの正しい解答があり、それが分からないものはばかか悪人である、という道徳律である。このモデルを使っていると、すぐには理解できない現象にぶつかったとき、人は自分はばかだとか、恥かしいとか感じることになる。 p12 「アメとムチ」モデルでは、リーダーシップとは他人をリードすることである。一方有機的リーダーシップは、プロセスをリードする。他人をリードできるためには、その他人が自分自身の生き方を支配するのをあきらめてくれなければならない。一方プロセスをリードするとは、人に反応して行動し、彼らに選択をゆだね、彼らに自分自身を支配させることである。 p19 リーダーシップのMOIモデル 変化が起こるためには、環境に次の3つの成分が含まれていなければならない。 M 動機付け O 組織化 アイディアを実際に実現することを可能にする、既存の構造 I アイディアないし技術革新 タネ、すなわち実現されるもののイメージ p28 上手いアイディアを新しく出すことより、問題を解くのに適したアイディアが登場したとき、人がそれに気づくような環境を作り出すことの方が重要である。 p29 自分のアイディアをすべて引っ込めたり、どれひとつも引っ込めまいとがんばったりすることは比較的やさしい。むずかしいのは、そのバランスをとることである。つまり、自分が単に我を張っているだけである場合には引っ込め、グループ以外の自分のメンバー以外のメンバーが致命的な誤まりに向かってるんのめっているときには頑張る必要があるのだ。 p50 ぜんまいや点火プラグの場合にそうであったように、「もっとも弱い」つなぎ目を「もっとも重要な」つなぎ目と見誤り、任命によるリーダーの神話を信じてしまうのも、たやすいことである。 p85 なぜ問題解決型のリーダーは、常にもう一つの解答があると信じているのだろうか。私は、恐らくその問いは裏返しになっているのだと思う。アカデミックな心理学の中心的ドグマを信じている人は、決して別の解答を探そうとはしない。 p100 たくさんの経歴を勉強してみて、私は次のような、第四の大教訓を得た。「ビジョンを持たない人は、他の人々にたいした影響を及ぼさない。」 p223 「立ったら第一日目の、新しいことをたくさんやらなくちゃならないときに、私は自分の長所を強調することによって、よい印象を与えようとしていたわけね。ところが学生達は私の弱点を探していた。疲れたのも当然だわ。」 p249 人に割り当てた仕事を自分でやり直してはいけない。そんなことをすると、同じ仕事に何回も時間を使うことになる。 p250 自分の技術的有意性を照明するために、つまらない技術論争に陥ってはいけない。 p250 自分なりの優先順位を決めよう。自分の行動を組織化するために危機を待つのはやめよう。 p252 「あなたの言う通りなんだと思いますよ、クレイトンさん。」と私は答えた。「そしてスイス人同様、よい問題解決型のリーダーは、彼らが投入したよりはもう著っ他だけ多くのものが手に入るような状況を作ることが出来るようなんです。誰もいっぱい食わされないんですよ。」 p254 そして、もっとも大切な一項目はこうだ。 他の人々が学んだことに耳を傾けよう。
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# 時代を経ても変わらない、本質的なリーダーシップ論 ## 面白かったところ - よりによって、筆者がリーダーの役割に対してかなりネガティブだったことで親近感が湧いて読みやすかった - 人間の成長に関する、現代にも通じる成長理論を30年以上も前に提唱していた事実に脱帽した ...
# 時代を経ても変わらない、本質的なリーダーシップ論 ## 面白かったところ - よりによって、筆者がリーダーの役割に対してかなりネガティブだったことで親近感が湧いて読みやすかった - 人間の成長に関する、現代にも通じる成長理論を30年以上も前に提唱していた事実に脱帽した ## 微妙だったところ - 個人的にはかなり読みづらかった。とても素晴らしい内容ではある ## 感想 久々に本にぶん殴られる感覚を得た。だってこれ30年以上前に上梓された本だぜ? 「人間は自分自身が盲目なので、日記を書いて `自分からは見えない自分` を観察しよう」だとか、 「問題を解決するために、問題設定をちゃんと見直ましょう」だとか、 「仕事を片付けるために組織を作りましょう」だとか。 令和の時代においても通じる本質を突いているワインバーグ師匠はすごい。 また、技術リーダーシップが必要になったときには、またじっくり読み直したい一冊。
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ワインバーグ氏による、技術リーダーシップとして知っておくべき知識や考え方が幅広く記載されています。本書(翻訳本)の初版は1991年ですが、今でも決して枯れることのない内容だと思います。 マインドセットから組織での動き方、変わり方に至るまで、リーダーに必要な要素は広く扱っており、こ...
ワインバーグ氏による、技術リーダーシップとして知っておくべき知識や考え方が幅広く記載されています。本書(翻訳本)の初版は1991年ですが、今でも決して枯れることのない内容だと思います。 マインドセットから組織での動き方、変わり方に至るまで、リーダーに必要な要素は広く扱っており、この一冊を読むだけでも自分の悩みについての突破口が得られると思います。
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スーパーエンジニア、つまり、問題解決型リーダーとは何かを書いた本。海外の本にありがちな、だらだらと長いだけの本。ぎっくり腰の話とか、何のサジェスチョンにもなってない。そんな中で良いことは以下。 成功するプロジェクトは、全て少数の傑出した労働者の働きに依存する。 セルフマネジメ...
スーパーエンジニア、つまり、問題解決型リーダーとは何かを書いた本。海外の本にありがちな、だらだらと長いだけの本。ぎっくり腰の話とか、何のサジェスチョンにもなってない。そんな中で良いことは以下。 成功するプロジェクトは、全て少数の傑出した労働者の働きに依存する。 セルフマネジメントを重視する。他人をコントロールはできない前提に立つ。自身の言動によって、他者の動機を殺さない、混乱を生まない、アイデアの流れを抑制しなければ、良い方向に行く。つまり、リーダーは、利己的であってはいけない。 ビションがあってこそ、仕事は重要性を獲得する。 人は誰もが自分は役に立っていると感じたがり、貢献することを望むというのは、仮定である。 組織作りとは、仕事を解決するためである。 人に割り振った仕事を自分でしないこと。 マネージャーになりたい理由は? リーダーとして持っている資産と負債は?
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著者がワインバーグなので、悪い本であるわけがないと思うのだが、どうも私とは相性が悪く、読んでいてとても疲れた。それ以外の感想は記憶にない。
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サブタイトルの「技術リーダーシップ」と「人間学」というキーワードに惹かれて買ってみた。 君リーダー・マネージャやってね、と言われた時に、リーダーなんてやりたくない!エンジニアとしてやっていきたいんだ!という葛藤と戦うときに読むと、どういう心構えが必要となってくるのか、どういうマイ...
サブタイトルの「技術リーダーシップ」と「人間学」というキーワードに惹かれて買ってみた。 君リーダー・マネージャやってね、と言われた時に、リーダーなんてやりたくない!エンジニアとしてやっていきたいんだ!という葛藤と戦うときに読むと、どういう心構えが必要となってくるのか、どういうマインドセットの変更が必要となるのか、という観点で読むとよさそうです。 とはいえ、ワインバーグ先生の本は読むのに根気が必要・・・
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文章の言い回しがちょっと回りくどいかな。スーパーエンジニアとあるけど、あんまりエンジニアとは関係ない普遍的な内容だと思う。さらに、リーダーシップとあるけど、「リーダーになりたい人は、他人からよく見られたいだけだろ?そんな理由ならやめとけよ。リーダーになるメリットなんてないよ」と、...
文章の言い回しがちょっと回りくどいかな。スーパーエンジニアとあるけど、あんまりエンジニアとは関係ない普遍的な内容だと思う。さらに、リーダーシップとあるけど、「リーダーになりたい人は、他人からよく見られたいだけだろ?そんな理由ならやめとけよ。リーダーになるメリットなんてないよ」と、リーダーにならないように注意してくれる。本書は理性的で知的になるための心構えを教えてくれてる。
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リーダになることについて書かれた一冊。多角的な視点から書かれており、勉強になることが多かった。 20年前以上に書かれているにもかかわらず、変わらないことはたくさんあるのだなとも改めて感じた。 ただ、解釈が難しいところもいくつかあり、その辺は何度か読み直したなと感じた。
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2015年再読。よくわからない自分はまだ読むべき時ではないのか。1991年の本だというのに驚く。グループワークで教科書的に使うといいのかな、各章の設問は基本スルー。問題解決チームの効果的組織法は興味深かった。
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リーダーシップに必要なのは、①動機づけ(Motivation)、②組織化(Organization)、③アイデア(Idea)ないしは技術革新(Inovation)のタネ、の3つであり、これらの頭文字をとって、MOIと言う。 アイデア、技術革新という点において、技術リーダーたちは、...
リーダーシップに必要なのは、①動機づけ(Motivation)、②組織化(Organization)、③アイデア(Idea)ないしは技術革新(Inovation)のタネ、の3つであり、これらの頭文字をとって、MOIと言う。 アイデア、技術革新という点において、技術リーダーたちは、①問題の理解、②アイデアの流れの調整、③品質の保持、という三つの主要な分野に特に力を注いでいる。技術革新がうまくいかない、阻害要因は、①自己盲目性、②問題ない症候群、③答えはひとつの信念の3つであり、これらが複雑にからみあって、容易には除去できない。また、問題解決型リーダーは、アイデア力が特に必要で、そのための戦略は、①誤り、②盗み、③結合の3つである。 動機づけという点において、問題は、①自分自身を、他人が自分を見るようには見られない、②すべき仕事の成否が怪しい場合、チームの責任者として、人と仕事のどちらを優先させるかの判断が難しい、の2つである。人に動機づけができるようになるためには、常に誠実である、ことが必要である。 組織化という点において、チーム組織化の方法が色々ある中で、①個人別、②投票、③強力なリーダーによる意思決定、④コンセンサス、の4つが考えられるが、それぞれメリットデメリットがあり、リーダーはこれらの組織法を、時と場合に応じて使ったり、組み合わせたりして組織を構成し、問題解決を行っていく。 最後に、自分が後で後悔するかもしれないことをいったりしたりしそうになったとき、次の三つの問いを発する。 ①なぜ私はこれをしたいと思うのか、②私が提供できる資産は何か、③私が持ち込む負債は何か
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