匠の時代(第12巻) の商品レビュー
シリーズ最終巻。この巻では、IBMとホンダがとりあげられています。 大型コンピュータの製造をおこなってきたIBMが小型機を開発するにあたり、企業内ヴェンチャーのしくみを活用していたことが紹介されています。個人向けのパソコンが普及する情報化社会の黎明期におけるエピソードでもあり、...
シリーズ最終巻。この巻では、IBMとホンダがとりあげられています。 大型コンピュータの製造をおこなってきたIBMが小型機を開発するにあたり、企業内ヴェンチャーのしくみを活用していたことが紹介されています。個人向けのパソコンが普及する情報化社会の黎明期におけるエピソードでもあり、そのような観点からも興味深く読むことができました。 ホンダの四輪操舵システムの開発現場をとりあげた章は、あたらしいことにチャレンジする技術者たちの生き生きとしたすがたが活写されています。従来の自動車にくらべて操作性が大きく変わってしまうことから、このシステムは普及することはありませんでしたが、おもしろいことに熱中する人びとの創意が、世の中を大きく変化させる可能性をもっていることが読者にも感じられるという点では、本シリーズらしい章だったように思います。
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