人間の絆(響働編) の商品レビュー

高橋佳子【著】

2009/10/04

平成3.10.5　1版2刷　850
啓示というには人間味あふれる。箴言というには暖かみのある。心をゆざぶり魂に響く。あまたの詞章が理路整然と鏤められている。魂の世界の原理は、ニュートンのブリンキピアやアインシュタインの相対性原理などと平行していると識る。「一なるもの」の存在は諸現象の帰納から明らかにされ、人間界の出来事は「一なるもの」との響き合いにより宇宙と調和するという。現代天文学はわれわれを宇宙の子と唱える。宇宙の子は二〇〇億光年の遠くを望み、遺伝子の微細を極め美しい芸術を創る。又、一方では環境破壊等、人間不在の諸問題をひきおこす。人間とは何か。諸問題といかに対峙するか。これらの問いを真摯に受けとめ、秀れた洞察力は、われわれを深く導く。人間をこれほどいとおしく、これほど可能性の大きなものと見定める本が現れたことは、幸運であり仕合わせなことだ。（日江井榮二郎）