子どもという巨人 の商品レビュー

灰谷健次郎【著】

2016/09/11

恐るべき手の付けられない存在としての巨人でなく、大きな可能性を持った素晴らしい人間の原型としての存在として表現。

拙くて教え導いてやらなくてはならない、未熟な雛鳥として扱われることが多いことに嘆く。

実際に小学校教諭を17年間勤め、そこで出会った子どもとのやりとりを挙げて如何に大人や教師が個性や伸び代を蔑ろにしているか問う。

一枚のテスト用紙で答えが複数ありえる国語の問題で、偏った採点しかしていない学校は画一的で、その子どもの本質に目を向けていないという。感性や才能は、たった一枚の紙切れでは計れないのだから。

灰谷氏は持論の全てが正論というのではなく、議論のきっかけや考える題材にして欲しいと締め括る。

私は子供はいないし、ましてや教師ではない。
が、このたび一度きりの子ども教室の講師を依頼された。
この一冊を手に取ったこととの共時性は、あるのだろうと感じた

2016/05/05

市立図書館で借りて読みました。
久しぶりの灰谷健次郎氏の作品。
最近のものではないけれど、いつ読んでも胸に響きます。
ススムくんのお話、一言で子どもを傷つけ、裏切ることになってしまう怖さを知ります。
子どもって素晴らしい。