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私の旧約聖書 の商品レビュー

4.2

6件のお客様レビュー

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2024/12/30

随分平易に書かれているけど、著者の捉えた旧約聖書の本質は外していないし、またそれが読者にも伝わるよう考えられている。死後の世界が登場しない、神はでてくるけどえらく人間的で、一般の宗教のイメージとはだいぶんかけ離れた姿をしていることもあり、著者自身、時に登場人物に成り代わり「こんな...

随分平易に書かれているけど、著者の捉えた旧約聖書の本質は外していないし、またそれが読者にも伝わるよう考えられている。死後の世界が登場しない、神はでてくるけどえらく人間的で、一般の宗教のイメージとはだいぶんかけ離れた姿をしていることもあり、著者自身、時に登場人物に成り代わり「こんな風にイェホバ氏に言い返したくなる」などの対話も楽しく読ませる。 連載時の表題は「はずれ者の旧約聖書」。世の中の大勢からはずれているとの自覚のもとで、神に翻弄され続けるユダヤの人々に共感も覚えながら、律法と浮世の義理人情の間で行きつ戻りつする他ないという、どこかペシミスティックな人間観が印象に残る。

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2011/09/11

「私は、西遊記の中に登場する、自分の個性だけで方々に跋扈している化け物のようなものなのでしょうね。悟空や八戒や悟浄は、なぜか、わりにたやすく三蔵法師に帰依して、大ざっぱな生き方をしました。みずからの個性など観音の掌の上で踊っているようなものだと彼らは気づいていくのですね。ほかの化...

「私は、西遊記の中に登場する、自分の個性だけで方々に跋扈している化け物のようなものなのでしょうね。悟空や八戒や悟浄は、なぜか、わりにたやすく三蔵法師に帰依して、大ざっぱな生き方をしました。みずからの個性など観音の掌の上で踊っているようなものだと彼らは気づいていくのですね。ほかの化け物たちは個の範囲で生きることにこだわって、次々に打ち倒されていきます。」 ...なんとなく自分のことを言われている気がするw

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2011/04/08

この人の文章力のすごさ。斬新な切り口を簡潔な文章でいともたやすく書いているように見える。他の著書にも言える事だけど本当にすごい。

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2010/11/20

なんとバンコクの紀伊国屋の216バーツという値札がついている(日本価格は495円+税)!タイに行って、宗教のことをあれこれ考えて買ったんだと思う。分かりやすすぎる…苦笑。

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2009/10/04

旧約聖書を色川武大氏が読み解き、日本人の感性と作家としての感性で、あれこれ解説してくれる。 これを読めば、今のイスラエル紛争などの侵略や簒奪なんて むかしっから彼の国、彼の人種らには「てんであたりまえ」なんだと判る。 旧約は、キリスト出現前までの彼の土地の神と預言者にまつわるエピ...

旧約聖書を色川武大氏が読み解き、日本人の感性と作家としての感性で、あれこれ解説してくれる。 これを読めば、今のイスラエル紛争などの侵略や簒奪なんて むかしっから彼の国、彼の人種らには「てんであたりまえ」なんだと判る。 旧約は、キリスト出現前までの彼の土地の神と預言者にまつわるエピソードなのだが もうとにかく殺し殺されの連鎖というか、俗まみれこのうえない人間臭い神が人民をかきまわすお話なのだ。 勿論、他の土地の神はすべて邪教とみなすという一神教がベースになっている。この点、何とも排他的なんだよなー。 天地創造やそのほか全てについて圧倒的なパワーを持つ神とされる存在が、誰よりも嫉妬深く人間臭い考えを発揮するとなると それはもう、じつに個々の人間たちは振り回されまくりで、蹂躙される一方なのである。 神とその預言者による、生死を紙切れより薄く扱った民族的右往左往。死屍累々の連続。 そんなのが延々繰り返される厳しい土地、それがイスラエル周辺なのだろうか。 僕は、神というものは、たぶん大自然や、世の理そのものを擬人化したパッケージを指すのだと理解しているが、その点、 やっぱり「やおよろずの神がそれぞれ信じられる国」=日本に生まれてよかった、とも思うのである。

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2009/10/04

ギャンブルき印の不良だった著者が、これまで培ってきた人生哲学で旧約聖書をひもといていく。聖書の中の数編のエピソードが著者の中で一度そしゃくされてから語られるので、聖書特有のの固苦しさはない。たんなる聖書の解説本ではない。著者と聖書の奇妙な交わりには、人が荘厳な存在と正面から向き合...

ギャンブルき印の不良だった著者が、これまで培ってきた人生哲学で旧約聖書をひもといていく。聖書の中の数編のエピソードが著者の中で一度そしゃくされてから語られるので、聖書特有のの固苦しさはない。たんなる聖書の解説本ではない。著者と聖書の奇妙な交わりには、人が荘厳な存在と正面から向き合うときの、挑戦的な姿勢が見てとれる。

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