木村伊兵衛の昭和 の商品レビュー
戦前から高度成長期にかけて活躍した写真家である木村伊兵衛が撮影した、東京都内を中心とした街とそこにいる人々を撮影した数多くの写真を、年代順に並べ直し、それぞれの年代区分ごとに、その年代の特徴を語った解説文を加えたもの。 年代区分は以下の通りとなっている。 1.庶民の暮らし(戦前・...
戦前から高度成長期にかけて活躍した写真家である木村伊兵衛が撮影した、東京都内を中心とした街とそこにいる人々を撮影した数多くの写真を、年代順に並べ直し、それぞれの年代区分ごとに、その年代の特徴を語った解説文を加えたもの。 年代区分は以下の通りとなっている。 1.庶民の暮らし(戦前・戦中) 2.復興の槌音(昭和20-24年) 3.変貌する街(昭和25-30年) 4.戦後が終わって(昭和31-39年) 5.ゆたかな昭和)昭和40年以降) 東京の銀座や有楽町や渋谷や浅草の年代ごとの写真が収められており、それは、東京の繁華街の一種の定点観測のようなものでもある。戦争で焼け落ちた東京の市街地が、年を経るに従って復興し変貌していく様子が本当によく分かる。 これは、雄弁な東京という年の昭和史だと思う。
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『木村伊兵衛写真全集昭和時代』から201点の写真を選び、戦前・戦中から木村が亡くなる昭和49年までを5つの時代に分けて編年体に構成している。各章ごとに、選ばれた写真を元にして、加太こうじがそれぞれの時代の街、人、風俗について書いており、簡単な世相史となっている。 モノクロで撮られた写真は主に東京のものであるが、その多種多様さに驚いてしまう。昭和20年代末ぐらいからの世相は体験的に知っているものではあるが、それ以前となると異国のようだ。この100年足らずの短い期間に凄まじいスピードで変わって来たのだなぁと改めて思う。 一つ一つの写真はさまざまな事を語りかけてくる。なるほど、木村伊兵衛が言う報道写真とはこういうものを指すのかと納得。写真の中の子どもたちや若者が活き活きとしているのがいい。 東京裁判の、何かだらけたような、投げやりな雰囲気が異様な感じだ。 いいなぁと思ったのは、月島の子どもの写真と、木場の写真、そして何よりも、一番最後に置かれた「セルフポートレート 上野」。レンガの壁に、帽子をかぶった影法師が写っている。
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文字は必要ない。昭和を撮った写真集は多くあるが、美しさでいったらダントツでこの本が良いと思う。戦後間もない頃から高度成長まで。
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33.日本橋:母が息子の手をひいて何処へ行こうとしているのか、映画のワンシーンのよう。73.学生の街:遠くに見える煙突から真っ黒い煙が朦々と昇っている。76.信州の子どもたち:屈託のない笑顔が可愛い。87.傷痍軍人:私が子どもの頃は街中でも時々見かけたことを憶えている。98.神谷...
33.日本橋:母が息子の手をひいて何処へ行こうとしているのか、映画のワンシーンのよう。73.学生の街:遠くに見える煙突から真っ黒い煙が朦々と昇っている。76.信州の子どもたち:屈託のない笑顔が可愛い。87.傷痍軍人:私が子どもの頃は街中でも時々見かけたことを憶えている。98.神谷バー:酔いが回ったのかそれとも深く悩んでいるのか。138.原水爆反対デモ:有楽町でのデモ、それより山一証券や不二家のビル、どこかのデパートなどがこの頃の東京の街の雰囲気を鮮やかに表わしている。142.房州千倉:海女さんの褌姿、垂れた乳房が印象的。
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