難解な絵本 の商品レビュー

いとうせいこう(著者)

2014/03/12

この１冊読むだけで、いとうせいこう氏がいかに面倒臭い人かが分かる。94ページの本が完成するまでに編集者が複数人去っていくって・・・笑

この絵本には難解な言葉こそ無いが、確実に難解な絵本だ。
見開き1ページで完結する「子どもによる」文章と「子どもによる」絵。一見して夏休みの宿題の絵日記のようでもあるが、様々な文体・モチーフで書かれており、読み手の知識と教養が試される。この全力のパスティーシュをどれだけ受け止められるか。もしかしたら私は半分くらいしかこの絵本の凄さを分かっていないかもしれない。おそるべし、SEIKOH・ITO！

この絵本の中で衝撃を受けた話はたくさんあるが、私が特に好きなのは「柳田くんと折口くん」。電車の中で思わずふいてしまった。ツボすぎる。
締めの一編もとても良い。

たまに読み返したくなりそうなので、これはずっと家の本棚に置いておこうと思う。

2013/03/30

まだ角川春樹が角川書店にいた時代～日記体私小説・個人向け小論文・革命宣言・前衛芸術への無理解・歴史的仮名遣い文芸時評・性欲告白・酔っ払いの結婚祝辞・評論（いじめ）・演説批評・不良の過去の軽蔑的美化・自閉症の独白・花伝書・新興宗教勧誘・文芸評論・天声人語・ジゴロの雑誌記事・ベトナム戦争もの・前衛童話・文化評論・アルフォリズム・演劇人の成長・インタビュー記事・ライト感覚のストーリー・老人の独り言・ヒッピー文化・トラック野郎・学究精神・親父の管巻・取説・吾輩はねこ・空間プロジュース・総会屋の雑誌取材・害獣に関する新聞記事・転向声明・アイドルの引退宣言・文化論・闘病記・遺言～何のパスティーシュか書いたつもりだが，世の中にはそれらしい文体が溢れているね。３０年前の本

2009/10/04

いいですよ。

いとうせいこう
とか
中島らも
とか
みうらじゅん
とか。

そんなんにときめく人に。

2009/10/04

子供を大人へと擬人化させた、大人のための絵本。パスティーシュの手法をこれでもかと使い、意味を成さない子供の行動全てに意味を与えた笑えるお話の数々です。見開き１ページごとに不可解な絵と不可解な文章で１編。『シュールがもてはやされた時代』を感じられます。これでもかと大人子供を書いていて、最後の１編で「大人が求める子供像」の物語。本来なら一番まっとうな話なのに、一番うそ臭く感じてしまうのは、作者の術中にはまってしまったってことなんでしょうね。子育て中に読んだら、ちょっと子育てが楽になるかも…しれないです。