渇水 の商品レビュー
全編を通して死の匂いが濃い。表題『渇水』と個人的には『海辺のひかり』が感動とはなんだか違うけどジーンとしてしまって好きだった。死を淡々と描いてる印象。なんかよかった。
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映画紹介で知り原作を手に取った。 『海炭市叙景』と似ている! 佐藤泰志の遺作で函館市を舞台にした小説と多摩地区の光景が一瞬重なり、同じ時代の匂いを感じた。風景や人の営みが淡々とした文章で綴られていて心情がより伝わってくる。 4話のなかでは「渇水」と「海辺のひかり」が良かった。 ...
映画紹介で知り原作を手に取った。 『海炭市叙景』と似ている! 佐藤泰志の遺作で函館市を舞台にした小説と多摩地区の光景が一瞬重なり、同じ時代の匂いを感じた。風景や人の営みが淡々とした文章で綴られていて心情がより伝わってくる。 4話のなかでは「渇水」と「海辺のひかり」が良かった。 停水されると人は生きていけない。停水を行う側の心が次第に枯渇してゆく様を上手く描いている。 まさかの結末に衝撃が走った。 「渇水」 「二月の午後だった。車窓からは晴れた冬空もみえた。乗客も、家並みもその空も、ときどき不規則な振動音を伝えてくる列車の揺れのなかで、しかししだいにまばゆいような同行者になっていくのを私は知っていた。」 母の改葬のため、妹と共に福島県いわき市に向かう。早逝した母を求める旅とも母と祖母の一生を辿る旅とも思える優れた作品。 戦後の隧道掘りの過酷さ。亡くなる前に最後の乳を妹に飲ませた母親の姿に思わず読む手が止まった。「せつねえことぉ」と呟き涙を流す祖母が哀しい。光と影が交差する時代そのものが文字から浮かび上がってくるようで、河林満という作家の才能を感じた。 「海辺のひかり」
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生田斗真さん主演で映画化されると知り読みました。 息苦しい、居心地の悪い、嫌な死の匂いのする短編四篇でしたが、この表題作を一体どんな風に映画化したのか…。 どの作品も読み始めはなんとなく読み応えのありそうな予感があるのですが、結局よく分からず、気味悪くスッキリしない、後味の悪い一...
生田斗真さん主演で映画化されると知り読みました。 息苦しい、居心地の悪い、嫌な死の匂いのする短編四篇でしたが、この表題作を一体どんな風に映画化したのか…。 どの作品も読み始めはなんとなく読み応えのありそうな予感があるのですが、結局よく分からず、気味悪くスッキリしない、後味の悪い一冊でしたが、決して読んで損したと思う種類の読書ではありませんでした。
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4篇が収められていて、表題作の「渇水」は良かったです。 言葉で言い表せない漠然とした感情や感覚をうまく表現しているように感じました。 好き嫌いや良し悪しはさておき、全篇に作者独自の感性や世界観が感じられました。 モヤッとしてスッキリしないところ、救いとか解決とかそういうのが全く...
4篇が収められていて、表題作の「渇水」は良かったです。 言葉で言い表せない漠然とした感情や感覚をうまく表現しているように感じました。 好き嫌いや良し悪しはさておき、全篇に作者独自の感性や世界観が感じられました。 モヤッとしてスッキリしないところ、救いとか解決とかそういうのが全くないのが個性というか。 誰かの人生のほんの少しを切り取って、ただ見せましたという感じ。 ありそうでないなぁと思いました。
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とりあえず表題作を読んだ。映画化されると聞いて読んでみた。文學界新人賞受賞と芥川賞候補となった作品らしいが、物足らない思いをした。この内容であれば社会派を期待してしまうからであろうか。主人公の立ち位置もよく分からないので感情移入も出来なかったからだろうか。そう、よく分からないこと...
とりあえず表題作を読んだ。映画化されると聞いて読んでみた。文學界新人賞受賞と芥川賞候補となった作品らしいが、物足らない思いをした。この内容であれば社会派を期待してしまうからであろうか。主人公の立ち位置もよく分からないので感情移入も出来なかったからだろうか。そう、よく分からないことが多すぎる作品だった。
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