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オータム・タイガー の商品レビュー

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2015/02/08

これぞ、まさしく正統派冒険小説。 静かに始まるプロローグ。間もなく引退する冴えない情報部員に突然接触してきた東独情報部の大物。何故、平凡な日常を送ってきたはずのオレが選ばれたのか…。たったひとつのライターが、彼を80年代のアメリカから一気に第二次世界大戦末期のベルリンへと引き戻し...

これぞ、まさしく正統派冒険小説。 静かに始まるプロローグ。間もなく引退する冴えない情報部員に突然接触してきた東独情報部の大物。何故、平凡な日常を送ってきたはずのオレが選ばれたのか…。たったひとつのライターが、彼を80年代のアメリカから一気に第二次世界大戦末期のベルリンへと引き戻し、激烈なる工作活動の記憶を抉り出していく。 巧みな人物造形、印象的なエピソード、臨場感溢れる活劇、どんでん返しのキメ、など、冒険小説に不可欠な要素がてんこ盛りだ。 加えて、哀切感漂う幕切れともくれば、もう何もいうことはない。こういう泣かせる小説がもっと読みたいと願う。 北壁の死闘だけでラングレーを読まずにいるのは、勿体無い。

Posted byブクログ