戦略ゲームのはなし の商品レビュー
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おすすめ度:90点 とてもわかりやすい戦略ゲームの話。漠然と考えていることが、理論的に示される。以下のことは、常に頭にいれておきたい。 1.1対1の戦い (1)資金は多いほうが有利。また、1回の掛け金の数倍(なるべく10倍以上)の資金を準備できなければ、戦いは避けたい。 (2)勝率を50%以上にすることが、資金の多寡よりもたいせつ。 (3)資金が多いときに、勝率が50%を少しでも上廻れば決定的に有利。積極的に撃って出ていい。 (4)目標額を設定するときには、勝率が50%を僅かしか上廻らないなら低めに、50%をかなり上廻るなら思いきって高めに決めてもだいじょうぶ。 2.ジャンケン必勝法 あいこなら、その手に勝つ手を出せ。 勝ったら、相手の手に負ける手を出せ 負けたら、相手の手を出せ 3.集団どうしの戦い Xチームの当初の人数:x₀ Yチームの当初の人数:y₀ 交換比:E ランチェスターの1次法則 x₀-x=E(y₀-y) ランチェスターの2次法則 x₀²-x²=E(y₀²-y²) 戦いの推移を決める要素を効き目の大きさの順に列記するとつぎのとおり。 (1)2次法則における人数 (2)2次法則における交換比 (3)1次法則における人数と交換比 よって、以下のような戦略がおのずと導き出される。 (1)ライバルより数を揃えられるなら、しゃにむに数で圧倒。3倍もの数を投入すれば、ライバルをせん滅することは、ほぼまちがいない。 (2)ライバルより数を揃えられないなら、全面戦争は避けて、ある局所に全力を投入し、その局所で圧倒的な数の優位を確保する。戦略の小出し投入はダメ。最初から全力でどーん。 (3)数がどうしても揃わないなら少数精鋭でいくしかない。交換比Eを高める。とはいえ、2次法則によれば、Eの効果は数の効果の√でしか効かない。 (4)数や交換比で優位に立ったら、いいかえれば強者の立場に立ったら、2次法則の戦いに持ち込む。つまり、ごちゃ混ぜになるような全面戦争に相手を引きずり込む。 (5)数でも交換比でも劣るようなら、いいかえれば弱者の立場に立ってしまったら戦線を縮小して相手との数の差を詰めたうえで、一騎打ちを中心とした、1次法則の戦いになるよう努力する。そして、精いっぱい交換比Eを高めることが惨敗を免れ、うまくすると勝利を攫みとる近道。
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