理解社会学のカテゴリー の商品レビュー
この作品は、まず本論文がウェーバーの全著作中でどのような文献学的な位置付けを持つかを確定し、次に本論文が成立する背景となった当時の学問状況と、ウェーバー自身のそれまでの理論形成史とに目を配りつつ、本論文がウェーバーに独自な理論的立場の確立にとってどのような内容的意義を持つかを押さ...
この作品は、まず本論文がウェーバーの全著作中でどのような文献学的な位置付けを持つかを確定し、次に本論文が成立する背景となった当時の学問状況と、ウェーバー自身のそれまでの理論形成史とに目を配りつつ、本論文がウェーバーに独自な理論的立場の確立にとってどのような内容的意義を持つかを押さえ、最後にそこから、本論文の基底を支えるウェーバー理解社会学全体の主題に迫っていく、という段取りで議論を進めていく。私たちがそうと決めつけていることを、理解社会学の視点から考える。この本は決して読みやすいものではないが、それこそが本論文の重要な意義が十分に理解されてこなかった一因でもあるよう。
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