湯微島訪問記 の商品レビュー
会社員小説の傑作『さして重要でない一日』につづく作品。 う~ん、このあとに『星の見えない夜』や『濁った激流にかかる橋』などの新たな傑作が書かれることを知ってしまうと、どうしても色褪せてしまうのは否めません。 登場人物たちが一人称で(架空の)湯微島について語るので、この島の全体像...
会社員小説の傑作『さして重要でない一日』につづく作品。 う~ん、このあとに『星の見えない夜』や『濁った激流にかかる橋』などの新たな傑作が書かれることを知ってしまうと、どうしても色褪せてしまうのは否めません。 登場人物たちが一人称で(架空の)湯微島について語るので、この島の全体像を作り上げるのは読者の役割。これはフォークナーが『響きと怒り』や『死の床に横たわりて』において架空の町を描くのに用いた手法ですが、やはり出来栄えはノーベル賞作家には敵わないですね。
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