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浄土三部経(上) の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2021/04/30

浄土真宗を学ぶ立場から、客観的に浄土三部経を読んでみることは必要である。 梵文和訳と漢文書き下し文の両方があり、翻訳されていく歴史の過程も見ることができる。 この本の素晴らしいところはなんと言っても、註と文献紹介。註は単なる語彙の説明のとどまらず、いろいろな学術的な争点、今回この...

浄土真宗を学ぶ立場から、客観的に浄土三部経を読んでみることは必要である。 梵文和訳と漢文書き下し文の両方があり、翻訳されていく歴史の過程も見ることができる。 この本の素晴らしいところはなんと言っても、註と文献紹介。註は単なる語彙の説明のとどまらず、いろいろな学術的な争点、今回この訳に至った経緯などをつぶさに紹介してくれる。読むだけで勉強になる。 法話を聞いたときになんとなくGoogleで調べてわかった気になっていたが、全体にきちんと目を通すと言うことで、経典の全体像が見えてくる。 書き下し文を読んだからわかったというものではない。この訳に至った経緯を現代からたどるもよし、パーリ語から挑戦するもよし。アプローチの方法はいろいろある。自分は、これからも仏教書を読み込んで、都度参照していく方法をとろうと思う。

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2012/11/13

無量寿経がはいっている。同じ形式で作られた定型文が多く、長さのわりには内容はすくない。基本的には世自在王(ローケーシヴァラ)に法蔵(ダルマーカラ)が述べた浄土を、釈迦が阿難に語るという構造である。七宝でできた樹木とか、キレイな音楽が聞こえるとか、華がふるとか、願うだけで腹がふくれ...

無量寿経がはいっている。同じ形式で作られた定型文が多く、長さのわりには内容はすくない。基本的には世自在王(ローケーシヴァラ)に法蔵(ダルマーカラ)が述べた浄土を、釈迦が阿難に語るという構造である。七宝でできた樹木とか、キレイな音楽が聞こえるとか、華がふるとか、願うだけで腹がふくれるとか、そういう話が延々とつづき、善をなせば浄土に生まれ変わることができると説く。極楽も地獄も結局、人間の欲望が書かれていると思う。不信心者には浄土の牢獄につながれて、再び娑婆に帰らねばならぬらしい。基本的にアメとムチの説法である。浄土に利益で誘導するのではなく、美で「あこがれ」を抱くように仕向けているのが、苦心のあとを感じる。

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2011/11/29

 浄土三部経と呼ばれる浄土教の三つの聖典のうちの一つ、無量寿経の訳本です。漢訳(書き下し文)に加えサンスクリット原典からの翻訳(現代語訳)もあるので、とても読みやすいです。  私はこの無量寿経を文学作品のように楽しみました。あらすじは、釈尊が弟子たちに阿弥陀如来の仏国土建設と誓願...

 浄土三部経と呼ばれる浄土教の三つの聖典のうちの一つ、無量寿経の訳本です。漢訳(書き下し文)に加えサンスクリット原典からの翻訳(現代語訳)もあるので、とても読みやすいです。  私はこの無量寿経を文学作品のように楽しみました。あらすじは、釈尊が弟子たちに阿弥陀如来の仏国土建設と誓願の内容を語るという話です。特に印象的だったのは浄土の精緻な描写がフランス文学のように甘美で陶酔的だった点です。同じインド・ヨーロッパ語族だからでしょうか、近代フランス文学の詩人たちのように、(レトリックこそ使いませんが)、麗しの世界を香り高い筆致で見事に表出していました。  大乗仏教の説のみならず、古代人の豊かで逞しい想像力の飛翔を体感できる素晴らしい仏典であると思います。

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2010/12/02

一人の王が阿弥陀仏となり西方極楽と呼ばれる仏国土を建設するという浄土系経典。 全ての人を救いたいと思った王がそれを成し遂げるという、まさに大慈悲の経典である。 また、本書は文中の細かな註釈と梵本を含む事が魅力である。 しかしながらこの経典を所依の経典とする浄土宗と真宗において経典...

一人の王が阿弥陀仏となり西方極楽と呼ばれる仏国土を建設するという浄土系経典。 全ての人を救いたいと思った王がそれを成し遂げるという、まさに大慈悲の経典である。 また、本書は文中の細かな註釈と梵本を含む事が魅力である。 しかしながらこの経典を所依の経典とする浄土宗と真宗において経典の理解に差異が有り、この書は真宗的理解に則って訳されたものである事を留意されたい。 もし可能であるならば見解の相違が生ずる点も註釈に記しておいてほしかった。

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2016/04/12

阿弥陀仏の師匠は世自在王(シヴァ神)です。 大乗仏教とは、釈迦を頂点に置く原始仏教からは離れましたね。

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2009/10/04

法然上人以降の浄土教系の所依経典である「浄土三部経」と、梵文訳が載っていて、それだけを比較してみても面白いと思いますし、さらに異訳を読んでみても面白いと思います。

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