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三四郎 の商品レビュー

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68件のお客様レビュー

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熊本より上京した三四…

熊本より上京した三四郎と都会の人々との交流が描かれる。漱石の小説のなかでもとくに読みやすく親しみやすい。ひょっとしたらこの小説、主人公は三四郎ではなく明治期に現れた自由なる女性の象徴・美禰子であって、三四郎は語り部でしかないのじゃないかしら。

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若い人にこそ読んで貰…

若い人にこそ読んで貰いたい、青春時代の懊悩を前向きに乗り越えていく明るい小説です。

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若者のココロは今も昔…

若者のココロは今も昔も変わらない。毎年春になると読みたくなる青春小説。

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学生時代の恋愛小説と…

学生時代の恋愛小説といった感じで青春の日の一作です。

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熊本から出てきた田舎…

熊本から出てきた田舎の青年三四郎が、郷里とは全く違う都会で生活してゆく様子を描いた小説。 とかく三四郎論は美禰子論になりがちだと解説の方が書いていましたが、さもありなん。確かにインパクトのある女性です。仕草がいちいち優美で印象的。 彼女は全体誰を想っているのかと、三四郎と一緒に翻...

熊本から出てきた田舎の青年三四郎が、郷里とは全く違う都会で生活してゆく様子を描いた小説。 とかく三四郎論は美禰子論になりがちだと解説の方が書いていましたが、さもありなん。確かにインパクトのある女性です。仕草がいちいち優美で印象的。 彼女は全体誰を想っているのかと、三四郎と一緒に翻弄されました(笑) 個人的によし子さんも不思議な女性だったと思います。 対野々宮さんでは「愚かな妹」のように確かに見えるのですが、対三四郎のときはとても神秘的な女性のように見えした。独特の空気を感じ

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三四郎が東京に出てき…

三四郎が東京に出てきて様々な体験をする教養小説ですが、東京に着くまでの道中のエピソードも楽しめます。青春の甘酸っぱさは、時代を超えて普遍的なのだと感じます。

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「それから」、「門」…

「それから」、「門」と続く中期三部作の最初にあたる中編小説。最後の一文がいつまでも心に残る。

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東京の大学に入学する…

東京の大学に入学するため、熊本から上京する青年・小川三四郎。彼が淡い恋心を抱く女性・美禰子が本当にミステリアスです。『それから』、『門』と続く夏目漱石の三部作の、第一作目にあたる。

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2024/12/29

解説などには、この小説が、『坊ちゃん』と並んで親しみやすい作品と長年思われてきたが……とあるが、個人的には全く親しみやすいとは感じなかった。恐らく親しみやすいと思われて来たのは、解説 (p.314) に 「新聞小説の利点を上手に活用しているといえば、新聞に掲載される日付と小説の...

解説などには、この小説が、『坊ちゃん』と並んで親しみやすい作品と長年思われてきたが……とあるが、個人的には全く親しみやすいとは感じなかった。恐らく親しみやすいと思われて来たのは、解説 (p.314) に 「新聞小説の利点を上手に活用しているといえば、新聞に掲載される日付と小説のなかの話の時期をほぼ重ねあわせた構成に、その一端をうかがうことができる。連載がはじまったのは9/1だが、三四郎の上京の車中風景を話の冒頭にもってきたのは偶然ではなく (……当時、大学の新学期は秋……)、紙面に出る時期を意識したからである……。……団子坂の菊人形の場面を織りこんでいるのも……同じような配慮から来ている。三四郎が新しい知見を次第に加え、世界と人生について認識を深めてゆく過程を追うためには、いうまでもなく話の運びを時間の経過のなかに置かなければならないが、ここではそれを季節の歩みと縫いあわせて、読者を飽きさせない工夫がこらされている。」 などとあるように、読者の生きる時間と物語の時間の流れが一致していたり、登場する土地の情景描写が東京に暮らす人にとって馴染み深かったり、そういうレベルのものだと思う。 作品の主題は、全部読みきってみて思うのは、恐らく恋愛、というか、新しい時代の女性像と、その新しい時代の女性との恋愛。こういう作品の場合、対比されるべき旧い時代の女性が出てくるものだと思うが、この作品にはみあたらない気がする。三四郎と同じく熊本から上京した野々宮さんの妹よし子が旧い女性かと言われると、そんな感じはしない。その点で、対比になっているのは三四郎自身なのかなと思う。 その主題の周りにちょいちょい、漱石が他の作品でもとりあげる当時の日本のエセ西洋化などについての話がでてくるが、他の作品と比べると影は薄いかと思う。そのほか当時の時代を象徴するものとして、p.115の「空中飛行器」は、『三四郎』の発表 (1908年) の五年前 (1903年) にライト兄弟が初めて動力飛行を成功させたということに因み、p.232の「自分の取る新聞などは……泥棒早見といふ欄があつて、どこへどんな泥棒がはいつたか、一目に分るやうに泥棒がかたまつてゐる。」という一文は、それだけ当時は泥棒天国だったのか……などと想像して面白かった。 この作品が読んでいてよくわからないのは、美禰子が宇宙人すぎるところにあるのかと思う。「迷える子 (stray sheep)」といったよく解らない発言がちょくちょく出てくる。三四郎にも謎ながら、読む人も霧に包まれた心持ち。解説に拠れば、美禰子は野々宮さんが好きだったものの、野々宮さんが研究に没頭して振り向いてくれないものだから、三四郎に気があるようなそぶりを見せて野々宮さんの気を惹こうとしていたらしい。でもそれなら美禰子が三四郎に言った「馬券で中るのは、人の心を中るより六づかしいぢやありませんか。あなたは索引の附いてゐる人の心さえ中て見やうとなさらない呑気な方だのに」(p.193) は誰の心を指しているのか。まさかこれも、三四郎を騙すための言葉?だとしたら新時代の女性は怖すぎる。 さらにもっと言えば、当時の東京の読者には親しみやすかったかも知れない土地に紐づいた描写が、現代時にには全く解らない。漱石時代の面影が現代でも遺っているところなどもはやないだろうが、東京に住んでいるうちに巡ってみたい気もする。 --- p.196の「小口當座預金(あづかりきん)通帳(かよいちやう)」とゆうルビがおもしろい。 --- p.202の「晩餐(ジンナー)」は元々「ヂンナー」のはず。旧仮名の現代化を図ったって書いてある。ただ、ヂは人によってはディの音として使っている場合もあるから、これをジになおすのは不適切では。

Posted byブクログ

2024/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2024.11.7読了。 三四郎かわいい。 与次郎面白い。憎めない。 美禰子さんには私も惚れるわ。 青春だね。 とにかく読みやすい(「草枕」のあとだし…)。 「こころ」は、名前のわかる主人公の友人は出てこなかった(手紙は手紙でフィルター通してるし)けど、本作は他にも野々宮さん、よし子、広田先生、原口さんなど個性的な人物が登場する。 そういった人たちと関わっていく三四郎を通じて、当時の学生生活を少し味わわせてもらった気分。 解説にあった、日露戦争後に急速に近代化する時代を生きる若者の課題(故郷と学問と愉楽と三つの世界でどう生きるか/新しい時代の恋愛は、自我の強すぎる新しい女との恋愛はどうなるか)が、三四郎に課せられている、という見解はなるほど納得。 そういう現実世界において迷える美禰子は、三四郎も同じく「迷える子」とみなしていたことが、美禰子からの葉書でわかり、三四郎は嬉しがった。というようなことも解説にあり、そのへんがよくわからなかったのでありがたい。

Posted byブクログ