蔭桔梗 の商品レビュー
イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/1809809.html) (収録作品)色揚げ/増山雁金/くれまどう/校舎惜別/竜田川/遺影/十一月五日/弱竹さんの字/蔭桔梗・直木賞(1990上/103回)/箸/絹針
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紋章上絵師の章次のもとに、かつて心を寄せあっていた女性から、二十年前と同じ蔭桔梗の紋入れの依頼があった。 あの時は事情があって下職に回してしまったのだが、それは彼女が密かな願いをかけて託した紋入れだった……。 「増山雁金」「遺影」「絹針」「簪」「蔭桔梗」「弱竹さんの字」「十一月五...
紋章上絵師の章次のもとに、かつて心を寄せあっていた女性から、二十年前と同じ蔭桔梗の紋入れの依頼があった。 あの時は事情があって下職に回してしまったのだが、それは彼女が密かな願いをかけて託した紋入れだった……。 「増山雁金」「遺影」「絹針」「簪」「蔭桔梗」「弱竹さんの字」「十一月五日」「竜田川」「くれまどう」「色揚げ」「校舎惜別」の11編が収録された短編集。 「蔭桔梗」で直木賞を受賞されていたのですね。 職人さんの世界を舞台に、一本筋の通った人物を軸にした作品集。 泡坂さん自身も紋章上絵師だったということで、職人さんの気質がとても真に迫っていました。 最後の「校舎惜別」はこの中では異色かな。 京の街を雨の中、番傘をさした着物の女性が歩いているような、しっとりとした情景が目に浮かぶ、どれもせつなくて、読後穏やかな気持ちになるお話ばかり。 普段殺伐とした作品ばかり読んでいますので、心が洗われた気がしました。
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