美人教師淫姉妹 の商品レビュー
超ドSの本性がじわりと忍び寄る姉の復讐劇
1988年のデビュー以来、「少年」をキーワードに様々な作品を上梓してきた作者なので本作もタイトルから大体は想像できる内容。地味で堅物な姉(27歳)と自由で奔放な妹(24歳)の高校教師が1人の生徒と関わっていく官能物語である。 妹がきっかけをつくって姉が咎めたところ姉妹喧嘩と...
1988年のデビュー以来、「少年」をキーワードに様々な作品を上梓してきた作者なので本作もタイトルから大体は想像できる内容。地味で堅物な姉(27歳)と自由で奔放な妹(24歳)の高校教師が1人の生徒と関わっていく官能物語である。 妹がきっかけをつくって姉が咎めたところ姉妹喧嘩となり、後に妹のちょっとした企みから姉が巻き込まれていく流れだが、これは姉妹、特に姉の本質を示すための導線に過ぎない。 姉が小学生の頃に体験した「秘め事」を回想で大胆にフィーチャーし、その際に覚えた快感のトラウマを素地として今の巻き込まれた状況に抗えない理由としているのだが、この過去の体験がなかなかショッキング。いわゆる「お医者さんごっこ」に近いノリなのだが、かなりエグいことになっている。 そして、その過去には「その後」と言えるオチがあって、それが今になって呼び覚まされた姉によって(矛先を妹と生徒に向けて)再現されるのは小説として面白く、妹からすれば寝た子を起こすような、封印しておくべき蓋を開けてしまったことでとんでもない逆襲を喰らうことになる。妹先生に続いて姉先生とも関係を持てたとはいえ、生徒に至ってはとんだとばっちりとの見方もできよう。 そんな姉の逆鱗に触れてしまった妹だが、グラマラスなボディと端正な顔立ちには瑞々しい魅力があり、それまで地味で目立たないブサイクを演じていた姉が覚醒してからは元来の美貌で妖艶に化ける良さもあった。実は妹以上に美人の姉という設定は定番の1つながら効果的である。 ただし、官能面に濃厚さが足りないのは当時の描写として致し方ないものの、その復讐劇が「ドS」などといった表現ではヌルいほどサディストな姉の所業によって昂りが鎮まってしまい、思わず賢者モードになって見入ってしまうのが(属性のある一部の諸兄を除くと)決定的に惜しいところかもしれない。
DSK
- 1