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浮遊する意味(14) の商品レビュー

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2020/08/26

「浮遊する意味」というテーマについて、5人の論者が論文・エッセイを寄せています。 英文学者である冨山太佳夫の論文「歴史 テクスト 批評」は、19世紀のロンドンという都市における公害と清潔さへの願望が、文学テクストにおいて混乱と規律の対比に結びついていることを指摘することから説き...

「浮遊する意味」というテーマについて、5人の論者が論文・エッセイを寄せています。 英文学者である冨山太佳夫の論文「歴史 テクスト 批評」は、19世紀のロンドンという都市における公害と清潔さへの願望が、文学テクストにおいて混乱と規律の対比に結びついていることを指摘することから説きはじめて、テクスト論におけるインターテクスチュアリティの思想を越えてニューヒストリシズムへの方向へと抜け出るような批評の可能性をさぐっています。 哲学者の中岡成文の論文「コミュニケーションの戦略」は、ハーバーマスの討議的理性やデリダ=サール論争などに立ち入って、コミュニケーションにまつわる諸問題へと接続するさまざまな切り口を提示しています。 独創的なデカルト研究者として知られる福居純の論文「懐疑と循環」は、デカルトの方法的懐疑における主体そのものの問いなおしの意味について考察をおこなうとともに、連続創造説や永遠真理被造説についての著者自身の解釈が示されています。 このほか、島弘之の論文「エコーする声―W・B・イェイツの〈存在の統一性〉」と増田一夫の論文「意味のおごり 意味の危機」などが収録されています。

Posted byブクログ