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東京小説 の商品レビュー

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2024/04/07

人間の持つおどろおどろしさ、おぞましさ、はかなさ、滑稽さ

本書は、1988年から1989年にかけて「小説現代」に連載された著者の作品を収録したオムニバス形式の短編集である。昭和中期の混沌として無秩序な東京を舞台とした、エロ・グロ・ナンセンスあり、ミステリー・自叙伝あり、「焼跡闇市派」を自称した著者らしい戦争が影を落とした作品ありと、著者...

本書は、1988年から1989年にかけて「小説現代」に連載された著者の作品を収録したオムニバス形式の短編集である。昭和中期の混沌として無秩序な東京を舞台とした、エロ・グロ・ナンセンスあり、ミステリー・自叙伝あり、「焼跡闇市派」を自称した著者らしい戦争が影を落とした作品ありと、著者独特の文体によるバラエティーに富んだ作品が並ぶ。そこには、人間の持つおどろおどろしさ、おぞましさ、はかなさ、滑稽さなどが様々な人間関係の中で遠慮会釈なく抉り出されている。

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