社会的ジレンマのしくみ の商品レビュー
面白い。「ルールを守らせる」ってほんと難しい。アメとムチだけではだめなのが科学的に証明されています。またアメムチの管理コストって結構大変。
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前回の本と続けて、山岸俊男氏の社会的ジレンマに関する本です。 「自分一人くらいいいだろう」の心理や「コツコツやっても、要領のいいやつが美味しいところ持ってくもんな」などの心理を論理的に説明してくれます。簡単に読めるタイプの本なので、論理の深さは若干の物足りなさを感じますが、なかな...
前回の本と続けて、山岸俊男氏の社会的ジレンマに関する本です。 「自分一人くらいいいだろう」の心理や「コツコツやっても、要領のいいやつが美味しいところ持ってくもんな」などの心理を論理的に説明してくれます。簡単に読めるタイプの本なので、論理の深さは若干の物足りなさを感じますが、なかなか面白いです。 個人的には、組織が大きくなればなるほど共通の意思決定が困難になるという命題につながるような気がして興味がわきました。
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社会的ジレンマ。つまり、「集団全体が自分で自分の首をしめている状況」。 これだけでは分かりにくいと思いますので、具体例を挙げてみます。 ちょっと変わった例が出てきます。 *「受験戦争」…みんなが受験勉強をする。これは、社会的なコストが増えるものの、合格者は変わらず(「出し抜き型」...
社会的ジレンマ。つまり、「集団全体が自分で自分の首をしめている状況」。 これだけでは分かりにくいと思いますので、具体例を挙げてみます。 ちょっと変わった例が出てきます。 *「受験戦争」…みんなが受験勉強をする。これは、社会的なコストが増えるものの、合格者は変わらず(「出し抜き型」)。 この他にも、「大釜の飯」、「資源問題」、「男女差別」などが例として挙げられています。 要は、自分一人では解決できない問題に対して、「それなら自分はいいや」という心理に陥る問題。全員が協力すれば結局は皆が得をするのに、それができない問題。これらをどのように解決しましょう?という疑問をする本だと思います。 この問題に関する従来の研究をやさしく紹介・検討していきます。 最後に著者の主張を簡単に紹介しておきます。 これらの問題に対しては「精神主義的な方向」、つまり「皆が悔い改め、自分一人ぐらいという考えをすてればいい」という方向に向かっているけれども、そのような説教で解決できるほど簡単な問題ではない、と主張されます。そして、基本的には社会制度自体の問題とされるべき、という方向を採ります。 この本は、「アメリカの方が日本よりも集団志向が強い」といったデータなど、社会心理学的な部分以外でも楽しむことができました。
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