それから の商品レビュー
許されぬ恋に焦れ、や…
許されぬ恋に焦れ、やがては父親の庇護の元を離れていく男の姿を、緻密な描写で描いた作品。
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恋愛の、痛々しい感情…
恋愛の、痛々しい感情がいっぱいなのですが、それをこんなにいやらしくなく、メロドラマ風ドロドロ感もなく読ませるとは、漱石ファン層が広い理由の一つでは。
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「こころ」とはまたひ…
「こころ」とはまたひと味もふた味違う恋愛小説。
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「三四郎」「それから…
「三四郎」「それから」「門」と続く中期三部作の、二冊目にあたります。主人公・代助は、帝大を卒業しながらも定職に就こうとせず、親の金で優雅な生活を送っている。だが、昔に友人・平岡へと譲ったかたちになる女性・三千代に再会したことから、彼の生活は破滅へと向かっていくことになる―。
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『それから』の「それ…
『それから』の「それから」を考えるとき、あなたはどんな代助を思い浮かべますか?代助の病的な不安は決して他人事ではないんです。
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三四郎と比べると深く…
三四郎と比べると深くつきつめた思索が感じられます。
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漱石の中期三部作の中…
漱石の中期三部作の中心にあたる恋愛小説。当時の知識人の典型が描かれており、深く、漱石の力量を改めて感じる一冊。
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漱石の本は岩波文庫で…
漱石の本は岩波文庫で読むのが味があっていいと思います
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当たり前だけど略奪愛に対して世間や家族はいい思いはしないのはわかっていても応援したくなる。代助のだらけ格好悪いところも嫌いになれない。人はなかなか決心できず、行動できないものだと再確認させられた。門を早く読みたいと感じた。
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主人公は数えで30になる青年「長井代助」。 彼は裕福な家に生まれており、実家のお金で一人暮らしをして書生を置き、読書をしたり演奏会に行くなど、働かずに自由気ままに生きています。 夏目漱石の作中でしばしば登場する高等遊民と呼ばれる人々の代表格として挙げられることが多い人物です。 代...
主人公は数えで30になる青年「長井代助」。 彼は裕福な家に生まれており、実家のお金で一人暮らしをして書生を置き、読書をしたり演奏会に行くなど、働かずに自由気ままに生きています。 夏目漱石の作中でしばしば登場する高等遊民と呼ばれる人々の代表格として挙げられることが多い人物です。 代助は作中、友人の平岡の「何故働かない」という問いに「日本対西洋の関係が駄目だから働かない」と答えます。 曰く、「西洋の圧迫を受けている国民は、頭に余裕がなく碌な仕事ができない」、「悉く張り詰めた教育で目の廻るほどこき使われるから揃って神経衰弱になる」と、そして、「働くなら生活以上の働きでなくちゃ名誉にならない」とも述べています。 ただ怠けたいから働かないというわけではない、人は麺麭のみにて生くるものに非ずの精神が本書では述べられていて、高等遊民という生き方に関する考えが本作では読むことができます。 放蕩家の長井代助は過去に「平岡」と「菅沼」という友人がいた。 菅沼には「三千代」という妹がいて、代助は三千代を深く愛していた。 ある日、菅沼の母がチフスにかかり、その看病にあたっていた菅沼もチフスで、母と共に亡くなってしまう。 菅沼の父は止事無き事情により北海道で困窮しており、後に残った三千代を心配した代助は、銀行に就職した平岡に仲立ちし、二人は夫婦になる。 仕事もせず嫂に甘えて親の金で遊び歩く代助は、父親の説得も聞き入れず、財閥の令嬢との縁談を勧められるがそのつもりもなかった。 一方で三千代は結婚後に子供を亡くし、体調も崩してしまう。また、平岡は職を失い多額の借金をしていた。 自分が身を引いたことで三千代が幸せになることを固く信じてていた代助はそれが裏切られる結果となったことにショックを受ける。 物語はそんなところから開始となります。 夏目漱石の前期三部作の2作目ですが、前作の三四郎とは重ねるところはなく、誠実で一本気な三四郎がどう成長しても代助にはならないです(そう望んでいます)。 結局のところ代助は、今で言うところのニートのダメ人間で、そのくせ友人の奥さんに恋慕を抱いてしまうという、概要を書くと非常にひどい物語と言わざるを得ません。 ラストも大団円となるわけはなく、主人公は前向きなスタートをすることとなり、一つの完結ではありますが、結局いろいろな問題が未解決のままとなっていて、明るい未来が見えないというのが正直な感想です。 ただ、後半の盛り上がりはすごく良かったです。 序盤は情報も少なくて雰囲気も暗く、とっつきにくいと感じますが、後半の代助が男を見せるシーンは大変良かったです。 面白かったです。今は「門」を読んでますが、こちらも期待です。
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