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大正幻影 の商品レビュー

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2019/01/25

 この本はタイトルが示す通り、「大正時代」に漂う独特な雰囲気を読者に伝えています。大正期は年代から言うと1912年から1926年までの15年間、日本史において最も短い時代区分です。とはいえ、「偉大な明治」と「激動の昭和」の架け橋として、かなり重要な役割を担っていると思われています...

 この本はタイトルが示す通り、「大正時代」に漂う独特な雰囲気を読者に伝えています。大正期は年代から言うと1912年から1926年までの15年間、日本史において最も短い時代区分です。とはいえ、「偉大な明治」と「激動の昭和」の架け橋として、かなり重要な役割を担っていると思われています。特に佐藤春夫、谷崎潤一郎、芥川龍之介、永井荷風など大正文学の代表作家の作品を中心に分析しながら、作家の周辺、時代背景も取り入れて緻密に論を展開し、当時の文学作品に現れる郷愁を点出しています。  「文明開化」がもたらした近代化、都市化に違和感を抱き、それに対するアンチテーゼと失われた故郷の「原風景」への郷愁、これらの複雑な感情がいかに文学作品に反映しているのかがこの本で読み取れます。日本近代文学、日本近代史に興味のある方はぜひご一読ください。 (ラーニング・アドバイザー / 国際日本文化 YO) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1702613

Posted byブクログ