ベトナム戦記 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
これは「ジャーナリストによるルポルタージュ」ではなく、「小説家によるルポルタージュ」だと思う。本書で伝えている事が私的な感想レベルに留まっているのだ。これは本書が書かれた時期(1965年)にもよるものもあるだろうし、半世紀近くたった2012年現在からみての読後感なので、出版当時の反響・評価とは異なるだろう。 だけど、ベトナムへ行っているのに、ベトナム語は喋れない&通訳もつけないで、その国のことを取材しようだなんて、それで本当に何がわかるというのだろう?
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@mundburg『ベトナム戦記』開高健 朝日文庫 1990年 小松左京の「親友」のベトナム戦争ルポ。「機械のごとく、憲兵たちは並び、膝を折り、引き金を引いて去った。子供は殺されねばならないようにして殺された。」(169頁)作家は見た、読むのは私たちだ。 #嵐の本棚
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解説に、「このルポタージュは小説的である」とあって、まさにそうだなぁと。 開高健さんの本は、サントリーの「やってみなはれ、みとくんなはれ」しか読んだことなかったのですが、改めてその独特の語調に惹かれました。 極限状況に居ながら、どこか臨場感に欠け、第三者的視点からどちらかと言う...
解説に、「このルポタージュは小説的である」とあって、まさにそうだなぁと。 開高健さんの本は、サントリーの「やってみなはれ、みとくんなはれ」しか読んだことなかったのですが、改めてその独特の語調に惹かれました。 極限状況に居ながら、どこか臨場感に欠け、第三者的視点からどちらかと言うと飄々とした態度で表現するというのは、読むものの心を離さないでしょう。 内容も、ちょうど戦争に興味がで始めたので、勉強になりました。アメリカ兵、ベトナム兵の生の息遣い、生の考えが伝わってきます。
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ベトナム戦争の中でも特の初期~中期にかけてだったと思います。とはいっても、ベトナム戦争は「宣戦布告なき戦争」と言われてて、厳密にはいつ始まったのかはっきりしない戦争なんですが・・・ 開高健氏の絶妙でちょっと毒っけのある論調や関西弁など、ただ歴史をなぞった本とは全く異質な一冊。 ...
ベトナム戦争の中でも特の初期~中期にかけてだったと思います。とはいっても、ベトナム戦争は「宣戦布告なき戦争」と言われてて、厳密にはいつ始まったのかはっきりしない戦争なんですが・・・ 開高健氏の絶妙でちょっと毒っけのある論調や関西弁など、ただ歴史をなぞった本とは全く異質な一冊。 そして、「戦争」の持つ意味は全然単純じゃないということをあらためて感じました。 立つ位置によって景色も違えば「正義」も違う。
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なかなか読み進むことのできなかった、「ベトナム戦記」をやっと読了。多分、年単位で時間がかかっている… 先にこっちに興味があって、行く前にかその後に読み始めたか?
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たなぞうで紹介されていて出会えた本。面白かったです。著者に対してほとんど知識がなく恥ずかしながらお酒やファッションにこだわりのあるおしゃれな冒険家、文筆家、程度のイメージだったので記者時代の仕事には初めて触れました。アメリカ軍に従軍して取材したり、サイゴンで見聞きしたことが書かれ...
たなぞうで紹介されていて出会えた本。面白かったです。著者に対してほとんど知識がなく恥ずかしながらお酒やファッションにこだわりのあるおしゃれな冒険家、文筆家、程度のイメージだったので記者時代の仕事には初めて触れました。アメリカ軍に従軍して取材したり、サイゴンで見聞きしたことが書かれています。戦闘やデモの緊張感と、目覚めたらいつもどおりチャシュメンをすすっている著者と、公開処刑されるベトコンの青年と、意外と気楽に本音を語ってくれる米軍兵士と、どからともなくおそってくるベトコンに対する恐怖と、きっと本当にそうだったのでしょうが、激しい戦闘があれば普通の生活もあったのだといまさらながら感じさせられました。描写が記者というよりはすでに作家の文章という感じで、多少キザだなとも思いましたがこれが開高ワールドなのかしら。
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ヴェトナムに行って、あの国のたくましさを体感しましたが、この本を読んでいったことが、見方を正してくれた気がします。
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ベトナム戦争は、私が物ごころついたら始まっていて、突然終わったのは、確か高校生のころ。正直、終わらない戦争だ、と思っていたのを覚えている。そして、アメリカがベトナムと戦争しているのではなくて、ベトナムの内戦にアメリカが兵を出している、というのがどうにもピンとこなくて、(だって、資...
ベトナム戦争は、私が物ごころついたら始まっていて、突然終わったのは、確か高校生のころ。正直、終わらない戦争だ、と思っていたのを覚えている。そして、アメリカがベトナムと戦争しているのではなくて、ベトナムの内戦にアメリカが兵を出している、というのがどうにもピンとこなくて、(だって、資金で圧倒的に優るアメリカがどんどん泥沼状態に陥って“じり貧”だったし、日本に『休暇』でやってくるアメリカ兵たちの話や、小田実がやっていたべ平連の話とかには、10代の少女だった私にも随分心かき乱されたものだったから)何がどうなって始まって、いったい何が行われていたの??という疑問は、気持ちの中に残っていた・・・。で、今回ご縁があって開高健の「ベトナム戦記」を手に取ったわけですが、そっかぁ〜〜〜〜、そうだったのかぁ〜〜〜の連続でただただ驚いておりました。小説家の開高健が、小説に行き詰まり、ならばということで、ベトナムに飛んだ、という話を角田光代さんの新刊で読んだゆえ、なのですが、開高さんは100日間の間、南ベトナムのあらゆるところにカメラマンと共に出かけ、ベトナム兵・ベトコン・将軍・僧・そして一般ベトナム人から突っ込んだ話を聞いている。ベトナムという国の歴史から、その国民性、アメリカ軍が介入したことにより、ベトナム兵がベトコンに移行していくさま、など、ホントによぉ〜〜〜くわかったし、彼の筆致から伝わる現地の湿った気温、猥雑さ、無力感、頭の芯がキリキリするほどの恐怖感が今も私の身体にまとわりついているよう・・。映画「地獄の黙示録」の場面も多々思い浮かべながら読んだのだが、日本人の目から見たベトナム戦争、これはもうアメリカが撤退するしかないだろう、と言っているのがアリアリで、こんな素晴らしい戦記を日本にもたらした開高健! ため息が出てしまう。私が10代のころに出てたんだから、そのころに読みたかったなぁ。それだけが残念でたまらない。
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僕と同じ年代にとっては終わった戦争、過ぎさった過去のひとつとして結果ぐらいしかしらないベトナム戦争のルポルタージュを開高健が書いたこの作品。現地の緊張感が伝わり、なんとも言えない気持ちにさせられる。なんのための戦争だったのか?アジアの小国に得るものはあったのか?理不尽な結果しか残...
僕と同じ年代にとっては終わった戦争、過ぎさった過去のひとつとして結果ぐらいしかしらないベトナム戦争のルポルタージュを開高健が書いたこの作品。現地の緊張感が伝わり、なんとも言えない気持ちにさせられる。なんのための戦争だったのか?アジアの小国に得るものはあったのか?理不尽な結果しか残っていないのではないか。 攻撃をすればするほど農民をベトコンに変えてしまう負の連鎖にワシントンは気づけなかったという下り、世の中のすべてのことに言えるんだろうと読んでいた。力による支配は何も生まない。
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開口健は、ゲリラに襲われて自分の死を感じた瞬間の事を書いています。 銃弾をよけるために必死で木のかげに飛び込み、自分の死を目前にした時に見たモノ...。 それは、「アリ」でした。 どんなに激しい戦争を行っていても、アリ達は自分のいつもの生活を続けている。 開口健は、このア...
開口健は、ゲリラに襲われて自分の死を感じた瞬間の事を書いています。 銃弾をよけるために必死で木のかげに飛び込み、自分の死を目前にした時に見たモノ...。 それは、「アリ」でした。 どんなに激しい戦争を行っていても、アリ達は自分のいつもの生活を続けている。 開口健は、このアリに日本にいる日本人の事を見たのではないのでしょうか? 多くの人がベトナムの戦地で命を失っている。 しかし、場所を離れると日本ではオリンピックでお祭り騒ぎを行っている。 しかも、このアリ達はこのベトナム戦争を目の当たりにしているにも関わらず、いつもと変わらず、何も変わらない日常を過ごしている。 人間の生死をかけている行動も、地球規模でみると取るに足らない事なのか...。 開口健は、「人が生きる」という事の意味にすら疑問を持ったのかもしれません。 考えてみれば、人間の「感じ方」には不思議な事が多くあります。 戦争で多くの命が失われる事に対しては、遠くで起これば起こるほど無関心なのに対して... 比較的近くで起こる、教師の暴行による生徒には強い同情心を持ちます。 もちろん、どちらの命が尊いと比べる事は出来ません。 しかし、「戦争」となると命に対しての考えが軽視されるのはなぜなのでしょうか。 人は、自分自身で経験をした事でないと本当の意味で理解をする事は出来ない。 この本を読んで、そう痛感をしました。 頭で理解をしたフリなら簡単に出来ますが、本当に「理解」する事は実際の経験を伴わないと出来ない。 しかし、そのために全てを実践するとなると多くの犠牲を伴う事が必要になります。 だからこそ、私たちは机上の空論と言われても「学ぶ」必要があるのだと思います。 ただし、必ず忘れてはいけないのは「私たちは本当の意味では理解をしていない」という事。 これを忘れてしまっては、学ぶ事の意味すら無くなってしまうとCarrieは思います。
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