書物の敵 の商品レビュー
ウィリアム・ブレイズ…
ウィリアム・ブレイズ著の『書物の敵』を底本としつつ、それをいくらか補正し、分り易やすいように解説がつけられています
文庫OFF
タイトル通り、火・水・ガス/熱・埃・害虫、そしてある種の人間たちといった"書物の敵"について述べた一冊。イギリス人ウィリアム・ブレイズの同名書を底本に、書名に勝るともとらない熱い想いをぶつけてくる。戦前の作品ゆえか時代がかった物言い、特に害を及ぼす人間たち(や...
タイトル通り、火・水・ガス/熱・埃・害虫、そしてある種の人間たちといった"書物の敵"について述べた一冊。イギリス人ウィリアム・ブレイズの同名書を底本に、書名に勝るともとらない熱い想いをぶつけてくる。戦前の作品ゆえか時代がかった物言い、特に害を及ぼす人間たち(や悪書)への手厳しい言葉と言ったら思わず笑ってしまいそう。 それにしても水や火、害虫はわかるとして人間とはと思ったが、無知だったり強欲だったりする製本師や蒐集家の例を示されるに、害は確かに大きいと思い知らされた。そして上等な書物への意識が低い日本の現状(当時)を嘆く言葉は、現代を見たらどう変わるのだろうと思ったりもした。 底本と日本人筆者の加筆の境目がわかりにくいのは難点だが、書物へ危害を及ぼすものを語ることで出版の歴史を違った方向から眺められ、また本への熱い想いが伝わってくる文章はそれなりに面白いかと。 それにしても、人の皮を使った壮丁の話はちょっと引いちゃった。。。
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